歪んだ茶碗

 ワシャは陶器が好きだ。とくに志野茶碗がいい。今、愛用しているのも、志野の茶碗であり、湯呑である。ワシャの使っている志野は、無名の雑器でしかないが、これを見て下され。
http://www.mitsui-museum.jp/collection/collection.html
 三井記念美術館にある「卯花墻(うのはながき)」という志野茶碗で国宝である。どうです、無骨でしょ。江戸期の武士が好んだと言われているが、この無骨さ、不完全さが好まれたのだろう。口縁(こうえん)も歪(いびつ)だし、茶碗の左下には釉薬をつけた時の指痕がある。胴を見れば、右は真っすぐに立っているが、左は上から五分の一のところですぼまっている。まったくもって均衡がとれているとはいいがたい。でも、これがいいんですね。
 こちらは、東京国立博物館の「振袖」という名器である。
http://www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=other_img&size=L&colid=G5749&img_id=1&t=
 この見事さは、いかばかりであろうか。

 世界の最果ての極東の島国だけに、歪を好む特性が生まれた。この不完全さ、これが欠けたる月に相通じるものではないかと思う。