大きなことからつまらぬことまで

 安倍政権の第三次改造内閣の閣僚が発表された。河野太郎氏、林芳正氏、加藤勝信氏、小野寺五典氏など手堅い布陣が印象的だ。こういった重量級のメンバーを揃えるのは民進党には難しい。さすがは自民党ですな。
 ただし、見渡せば大方が世襲議員の様相を呈している。首相、麻生(財務)、野田(総務)、河野(外務)、林(文科)、加藤(厚労)、小此木(国家公安)江崎(沖縄・北方)、鈴木(五輪)、梶山(無任所)。20人の閣僚中半分の10人が世襲である。
 自民役員でも高村副総裁、竹下総務会長、塩谷選対委員長が世襲議員でその率は60%となっている。
 ワシャは以前から世襲について懐疑的だった。しかしこうまで揃えられると政治を天職としている一族のもっているポテンシャルみたいなものを認めざるをえないのかなぁ。
 世襲以外は、安倍政権の主要ブレーンである菅(官房)、小野寺(防衛)、茂木(経済再生)、官僚畑から上川(法務)、斎藤(農水)、石井(国交・公明)、中川(環境)などが登用されている。
 今回は第二次のように陣笠が目立たない。まぁあれだけ陣笠の無能ぶりが露呈されると、陣笠たちからも大臣人事に対して不平は出しにくいわなぁ。

 こういった危急の時にボケが炙りだされてくる。
《伊吹氏、文科相就任を固辞》
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170802-00000079-san-pol
 その理由が笑える。日本国としては笑えないけど。
《国権の最高機関の長である衆院議長経験者が、行政府の閣僚を務めるのは「筋が通らない」と考えた。》
 アホ。総理大臣だった麻生さんだって財務大臣をやっている。筋もくそもあるか。べつにワシャは自民党とはなにも関係がないけれど、党の危機にあって、こういうことを平気で言える伊吹という男が情けない。「筋が通らなくとも男文明命を賭してでも務めさせていただく」くらいのことを言えよ。そうすれば政治家として歴史に名を残せたものを。
《閣内に入れば政治資金などの問題を野党・メディアに細かく詮索され、晩節を汚すリスクを負いかねないという計算も働いたとみられる。》
 つまらない計算だ。マスコミの推測に過ぎないが、断った事実と二流政治家の生態から考えれば容易に透けて見える。要するに生きている間しかこの人の視野には入っていないのだろう。死してなお、「伊吹文明は漢だったねぇ」と言われるくらいの人物になれよ。
 伊吹氏、夕べのプライムニュースに出ていた。そしてまとめのところでこんな句を披露していた。プレバトじゃねーぞ(笑)。
「峠げ道 風夏空に 吹きぬける」
「吹き」を入れているところをみれば、風を己に例えている。「峠げ道」は内閣改造などを含んで現在の永田町の政局をそう言っている。夏空に吹き抜けていってどうするのよ〜(泣)。元官僚は甘いねぇ。完全に評論家になってしまっている。

 伊吹氏、それでも恥を知っているだけこの二人よりまともだ。
 名古屋コスプレサミットに悪乗りをして河村名古屋市長と大村愛知県知事が妙な格好をして遊んでいる。
http://news.so-net.ne.jp/article/detail/1426725/
 お好きなように。ただそれをやらせている行政サイドに微量の悪意があることを、出たがりのこの二人は気がついていない。もう少し落ち着こうよ。