再会

 先日、春先に入院して手術をした友人が職場を訪ねてくれた。入院自体を知らなかったので非礼をわびるとともに、久しぶりの再会を賀した。

 本当に偶然だった。ワシャは本社に行っており、職場を不在にしていた。用件を済まして支店にもどり、通用口横のエレベータを待っていた。上階で荷卸しでもしているのだろう。エレベータはなかなか降りてこない。「階段で行くか」とも思ったけれど、5階上るのはなかなか大変なのじゃ。そこに通用口から部下が顔を出す。「あ!」と驚いている。それほど驚くことはないじゃないか。
「〇〇さんという方がワシャさんを訪ねて見えたんですが、不在だったので今帰られました」
 おいおい、ワシャはあわてて外に出て、駐車場に走った。運よく、発車するまえだったので、なんとか引き止めることができた。再度、事務所にもどってもらって、10分程度の時間しか取れなかったが、近況などを情報交換し、お互いの健闘を誓った。

 見送りに出ると、彼はワシャの手を取って、「会えてよかったです」と言ってくれた。ワシャもそう思う。彼の目が潤んでいたように見えたのは、光線の加減だったのかも知れない。