差別?

 眠い目をこすりながらサイトを見ていたらこんな話があった。
照ノ富士への「モンゴル帰れ」に広がる波紋 相撲協会の対応は?》
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170330-00010002-bfj-soci&p=1
 記者は、稀勢の里の優勝で盛り上がる大相撲でモンゴル力士が差別されているのではないか……と懸念をしている。
「日本人横綱への熱狂と、モンゴル出身力士への冷淡な反応。大相撲はどうなっているのか?」
 と、記者は言っている。大相撲はどうにもなっていない。ワシャなら「モンゴル帰れ」などという下品な言葉は発しないが、そういった反応もあっての興行であろう。力士はプロである。大関で数千万円クラスの年収を得ている。力士報奨金のほかに懸賞金などもあるし、谷町からの支援も大きい。報酬の大きい分、重圧には耐えなければならない。圧倒的に強かった北の湖だって、ずいぶん罵声を浴びせられていたが、いちいちそんなたわ言に振り回されず大横綱に成長した。
 プロレスでは、ブッチャーやタイガー・ジェット・シンはヒールとしての役割を果たした。もちろん外国人レスラーとして、その異邦性を前面に出して観客に嫌われた。そのことでプロレスは大いに盛り上がったし、アメリカに行けばジャイアント馬場だってヒールを演じたのである。ブッチャーやシンは日本国内では悪役に徹し、国外ではベビーフェイスで活躍した。格闘技は究極でそういった役割分担があるのだ。
 たまたま大関を陥落した悲劇の琴奨菊と当たった時に照ノ富士がその役回りをさせられたということである。もちろん好悪は観客目線ということでいい。ワシャは琴奨菊のファンではないので照ノ富士が勝ってもなんとも思わなかった。そういう相撲ファンもいる。
 記事の中に登場する小説家は言う。
「そもそも、相撲は国別対抗戦ではないですよね。ひいきの力士を応援するもので、日本人を応援するものではないのです。露骨な出自びいきに戸惑いました」
 国別対抗戦ではないが、力士は出身地を明確にして戦いに臨む。北海道、青森、熊本、鹿児島といった具合だ。そしていまや大相撲の上位にはモンゴルがずらりと並ぶ。各県別に出身地表示されると絶対にモンゴルに負ける。富山、長野、石川などいるかいないか分からないほどに少数だ。それを一まとめにして日本出身と観客が考えたっていいじゃないか。
 そして大相撲がモンゴルに行ってウランバートル場所をやれば、そりゃあご当所力士のモンゴル人に声援がおくられるだろう。
 大関から陥落した悲劇の力士を上位の大関が(理由はどうあれ)変化をして敗北させる。そりゃ大阪の人は口が悪いからいろいろ言うだろうが、すぐに「差別発言だ!」とか「ヘイトスピーチだ!」と過剰反応をするのは異様だ。