名古屋にて

 昨日、名古屋のホテルで某講演会。講師はいわゆる官僚系の人で、話が面白くなく、150人ほどの出席者の中にはあちこちで舟を漕ぐ人が。それもそのはずで、昼食が提供されてからの講演であるから、腹がくちて瞼が重くなるのはしかたない。
 ワシャはその点、好奇心が旺盛なのと、眠くならないのが特性なので、しっかりと拝聴をした。原稿を丸読みするような講義だったが、情報としては興味深いところもあり、それなりに得るものはあった。
 ただ講演前の昼食がいただけない。ホテルの丸テーブルで洋食である。出たものは、2種のブレッドにバター、ポタージュスープ、チキンの照り焼き、デザートとコーヒーだけなんですけどね。どこかの会社の偉いさんのような人たちと顔を突き合わせて、並んだフォーク、ナイフ、スプーンと格闘する。フォーマルなところでの食事ってぇやつがワシャは大の苦手なんですな。飯を食うだけでストレスになってしまった(笑)。

 そうそう、講演後、名古屋の街を歩いていて、市バスとすれ違った時に思い出したので、メモをしておいたんだった。メモメモ……、あったあった。「市バス」「におい」「クレーム」、相変わらず汚い字だねぇ。でも記憶をたどる一助にはなる。2〜3日前にこんなニュースがあったでしょ。
名鉄「香りバス」に異論 化学物質過敏症の患者団体》
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170220-00000008-asahi-soci
名鉄バス名古屋市)が昨年11月から運行している「香りバス」に疑問の声がでている。夜行バスの乗客にリラックスしてもらおうと始めたのだが、「化学物質に敏感な乗客が利用できない」と患者会から再考を求められた。》
 ワシャも「香り」「匂い」「臭い」には敏感だ。化学物質に過敏なわけではないが、戌年なので鼻が利く。だから公共施設を自宅がわりにしている浮浪者の臭気には鼻が曲がる。ある施設でのこと、トイレに入った瞬間にある種の酸味臭が鼻に付いた。我慢できないほどではなかった。だから逍遥を足す。ワシャの背後の個室のドアが開いた。その途端、饐えたような酸味臭と煙草臭とトイレそのものの臭いがどっと押し寄せる。なんじゃーこのとんでもない臭気は!鼻が曲がるなんてものではない。ワシャは必死に息を止めた。ワシャの背後の個室から現れた男は、臭気を振りまきながら手も洗わずにトイレから出ていった。ワシャは無呼吸のまま逍遥を済ませると、きちんと身づくろいをして、手をしっかりと洗ってトイレを出た。
「はあーっはあーっ」
 あやうく窒息死するところだったわい。衣服に付いた臭気の粒子を払い落とし、ことなきを得たのであった。
 ニュースの話だった。
 名鉄としては、気を利かせたつもりだろう。アロマ発生器を設置し、ドアの開閉の度に「匂う」ようにした。アロマ大好きな人には好評だろうし、匂いに鈍感な人にはどうでもいいことでしょうね。でも、過敏な人もいるし、微量の揮発性有機化合物でもアレルギーを起こす人もいる。いいか悪いかの境界がきわめてファジーであり、許容できる範囲かどうか見極めが難しい。
 ただ、質問書を提出するほど大げさなことなのだろうか。ドアの開閉時に匂うだけのことではないか。「化学物質過敏症の患者ら、香料で健康被害を起こす人もいる」「夜行バスは代替手段がなく、特定の人たちが排除される」などと声高に訴えるところに、従来の左筋臭を感じる。
 止められるものならバスの乗車時に「匂いに過敏なので止めてください」と言えばいいだけのことで、止められない仕組みであるのなら、それはバス会社が何とかするべきだろう。その程度の話でことさら「特定の人たちが排除される」と声高に騒ぐほどのことでもあるまい。

 そうそうミャーミャーさんが市長選に立候補表明したんだってね。こりゃ楽しみだ。