御嶽海がんばれ

 わ〜い、南信州出身の御嶽海が金星を取ったわ〜い。
《初金星の御嶽海に八角理事長「圧力もついてきた」》
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170109-01763033-nksports-fight
 顔がいいのだ。愛知県でいうと北設顔(ほくせつがお)とでもいうのだろうか。愛知県北設楽、南信州東美濃は県境をはさんでいるが圏域としては一緒だった。ワシャの母方は東美濃である。だから叔父さん叔母さんいとこはとこに御嶽海のような顔立ちが多い。ホントですよ(笑)。だから平成27年に新十両になってから注目をしていた。ついに横綱に勝てるようになったか。
 横綱鶴竜松鳳山の一番は、きわどい一番だった。鶴竜に追い込まれた松鳳山が、右からの捨て身の小手投げを打つ。鶴竜は宙に浮いて背中から土俵の外に落ちた。鶴竜が空中でひっくり返っているとき、松鳳山の左足が俵を割った。軍配は松鳳山に上がった。ワシャもそれでいいと思った。しかし、同体の目もあるから取り直しの可能性も考えた。速攻で物言いがつき、協議の結果は行事差し違えで鶴竜の勝ちとなった。そりゃ違うでしょ。悪くて取り直し、鶴竜の体は完全に小手にふられて飛んでいた。悟空みたいに宙に浮かんでいられれば勝ちなんてことになったら、相撲取りはみんなドラゴンボールのメンバーにやられちまうぞ。これは疑惑の一番だった。
 白鵬は相変わらず土俵上でガッツポーズを止めない。ダメ押しはするし、勝つためならどんな手でも使うし、なにしろこの横綱はモノが悪い。
 江戸時代の碁打ちの小説、百田尚樹の『幻庵』から引く。
《この時代の碁は、負けとわかっていても、最後まで最善を尽くすのが美学であった。(中略)勝負は大事だが、「芸」の部分を大切にしていたところもある。相手の見損じを期待しての勝負手などは「碁譜を汚す」と考えられていた。たとえ負けでも最善手を打つのが当時の碁打ちの矜持であった。》
 相撲も勝負は大事だが、「神事」の部分を大切にしなければならない。土俵の上でガッツポーズをしたり、イナバウアーをしたりするのは「土俵を汚す」ものである。そんなことを土俵の上でやらないのが名力士の矜持である。
 白鵬に「矜持」という言葉はわからないだろうな。イナバウアー琴奨菊はどうでもいいや。