けじめは大切

《19年元日に新天皇即位、元号は半年前までに》
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170110-00050130-yom-pol
 朝日新聞の1面も《19年元日から新元号》と大きく見出しを打っている。生きている間に元号を3回体験できるかもしれない。実現すればまことに有り難いことじゃ。弥栄。
 昭和を30年ほど経験し平成となったときには、時代が変わるという実感があったものである。今は亡き小渕恵三官房長官が「平成」を発表した。最初は違和感があったけれども、30年近く使っていると慣れてきましたぞ。でも、歴代の元号と比べると画数も少なく重みがないというか、そんな印象は今も持っている。
 由来は、『史記』五帝本紀の「内平外成(内平かに外成る)」、『書経』大禹謨(だいうぼ)の「地平天成(地平かに天成る)」から。元号に「成」が使われたのは「平成」が初という。「平」のほうはいくつか前例があって、有名なところでは「天平」、井上靖の「天平の甍」は映画にもなった。「平」の年号の中でも断トツに有名である。他には、「承平の乱」というのを日本史で習いましたよね。平将門が反乱を起こした事件、あれが「承平時代」である。「平治の乱」というのもあった。「仁平時代」には「前九年の役」があり、「正平時代」は「南北朝騒乱」の真っ只中である。どれを見てもなかなか地平らかで内平らかとはいかない。

 時代は変化していくのに相変わらず成人式は進歩していない。小谷野敦『「昔はワルだった」と自慢するバカ』(ベスト新書)は当然読んでいる。自慢なんかするつもりはこれっぽっちもないんだけれど、事実がそうだったのでどうしようもない。
 ワシャが成人式を迎えたときは、地元の市民会館で式典があった。そこに1000人ぐらいが集まっただろうか。ワシャは新調したスーツで出席した。ワシャの仲間も同様にスーツだった。その中で市外の高校に通っていた10人ぐらいが派手な羽織袴で登場した。今のド派手な羽織袴ほどではないが、そのはしりだったような気がする。式典の前に、そいつらが一角に陣取ってギャーギャー騒いでいた。おそらく酒も入っていただろう。あまりにうるさかった。晴れ着の女子も迷惑をしていたので、ワシャらのグループで「指導」した。そうしたらいいヤツばっかりで(笑)、その後、静かにしてくれたものである。式典でも神妙な顔で来賓あいさつを聞いていた。派手な格好をしていても、他の参加者や主催者側に迷惑を掛けなければそれでいい。楽しませてくれるなら、どんなに傾いた格好でもいいじゃな〜い。ただし公共心のない傾奇者ではだめだ!
 まったく荒れない成人式もあった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170109-00010001-bfj-soci&p=1
 宮城県南三陸町の成人式である。災害に遭遇し現実の厳しさを知った若者は賢明である。大人になるということをみんなが自覚している。もちろん大多数の成人はそうであろう。が、警察に迷惑をかけたり、壇上に上がって式典そのものを壊そうというバカも当然のことながら混じっている。つくば市にいたよね。こういうのが長じるとこうなる。強引か(笑)。
《不急110番、まだ162万件=「宿探して」など》
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170110-00000014-jij-soci
 ワシャの地域でも、タクシー代わりに救急車を呼びつけるバカがいる。こういう輩はどんどん名前を公表して晒すべきではないか。そもそも「恥」というものを持たない。「公」の意識が欠落しているやつらをのさばらしてはまっとうな住民の害になる。
 ワシャの知人の父上(後期高齢者)が深夜に体調を崩した。晩酌をしていた知人は「救急車を呼ぼう」と言うのだが「大丈夫だ」と言ってきかなかったそうだ。結局、朝まで待って医者に行かれた。その後、持ち直されて何事もなかったのだが、後でお聴きすると「救急車を呼ぶことに強い抵抗があった」とのこと。「ご近所への恥」になるからと控えられたそうである。「だったらタクシーを呼べばよかったじゃん」とワシャが言うと、「その手があったな」と感心された。おいおい。
 それにしても昭和一桁はすごい。自分の体より世間体が優先するとは。この父上は武士だ。昭和元禄に生まれたフニャフニャのワシャらとは覚悟が違う。でも体調が悪い時は躊躇せずに119番した方がいいと思いますぞ。
 話をもどすが、こういう危急の連絡を妨げているのが、「宿を探してチョ」と119番にかけるようなバカ、タクシー代わりに救急車を呼ぶバカたちである。こういう輩は有料にしてやればいい。救急でないと医者が判断したら送迎料を取ればいいのだ。権利に甘んじ増長する連中にはある程度の箍(たが)をはめなければ、良識ある人たちが割を喰うばかりである。