なおき

 2016年の2月くらいから百田尚樹さんを「百田直樹」と記載していた。どこかで百田さんの小説などを読みあさるうちに「直樹」だと思い込んでしまった。ワシャの知人に「なおき」という人がたくさんいるのだけれど、そのことごとくが「直樹」だったので「百田直樹」になったというわけ。人の「専問」を笑いながら、じつはワシャが一番バカでしたというお粗末!

 倉本聰さんの書いたものに「物忘れ」というエッセイがある。
 胃カメラを飲みに行って、その過程でどこかに免許証入れを忘れてしまったようだ。クレジットカードも何枚か納まっているから、大慌てで病院に電話をして、向こうも大慌てになった。結局、半日後に富良野塾のいつもの定位置から発見された。倉本さんほどの方でもこんな物忘れをするんだね、となんだかホッとしたものである。

 最近、物忘れがひどくなったと思っている人も多かろう。しかし、倉本さんのエッセイでは「小学校の頃に忘れ物をした人」「子供の頃にどこかに忘れ物をして取りに戻ったという記憶のある人」がほとんどで、それは、みんな、むかしから忘れっぽかっただけのことなのだそうな。忘れっぽかったことも忘れているので、テレビでアルツハイマーの特集をすると「急に忘れっぽくなった」というにわか患者が増えるんだそうです。

 ということで「尚樹」を「直樹」に間違えていたことなどご寛恕くだされ。