昨日の久米書店

 久米弘と壇蜜が進行役で、話題の本を紹介する番組。
http://www.bs4.jp/kumebook/
 昨日は、最近ではもっともつまらなかった。取り上げたのが、丹羽宇一郎『人類と地球の大問題』(PHP新書)である。丹羽氏の本は何冊か読んだ。しかし、そのことごとくに内容がなく、商売人として支那中国よりに生きてきた話がだらだらと述べられているに過ぎない。その結果、民主党政権で中国大使就任となるのだが、日本のためにはなにもしなかった怠惰な大使だった。国旗を奪われてもなんのリアクションも起こさなかったくらいだからね(笑)。彼の著書『人は仕事で磨かれる』(文藝春秋)の中で「恥を知れ」ということを言っている。が、それはそのまま自分を指摘したことと理解しておこう。とにかく丹羽氏の本は、佐高信氏の本と同じくらいスカスカだ。
 それでも「久米書店」は時おり見ているし、丹羽氏が「少しは進歩しているではないのか?」という淡い期待と、取りあえず本の情報なので、チャンネルを合わせた。
 ううむ、話すこともスカスカだなぁ。周知のことばかりを言うだけで、この人でなければ語れない内容がない。新刊の章立てを見ればすべて推測が出来そうである。

序章――人類の英知が試されるとき<第1章>気候変動――反乱する地球<第2章>人口増加――100億人突破の壁<第3章>水――逼迫による争奪戦<第4章>食料――貧富と飢餓と暴動<第5章>エネルギー・自然災害――危機から変革へ
おわりに――「宇宙のなかの人間」を考える

 でしょ(笑)。
 さすが日本陸軍でもっとも愚物と言われる辻政信茶坊主をしていた瀬島龍三(これも愚物)に心服している丹羽氏である。簡単なことを回りくどく難しく一冊の新書にしてしまうところなんざ、師匠たちのDNAを確実に受け継いでおられる。
 大使在任期間中、中国共産党の立場からしか発言をしなかった丹羽氏。彼の著書にも中共の中枢の人々にとてもよくしてもらっていることを得意げに書いている。60年安保の際に学生リーダーをしていたというバリバリのシニア左翼である。そして、その後、何事もなかったかのように頬かむりをして大企業に就職し、その後は己の会社の利益しか考えない唯物的人物と言っていい。
 そんなのが、知識もないのに50年後の地球の未来を長々と説くなということである。丹羽の大師匠の辻が説きに説いたことで、日本陸軍は破滅していった。そういうことである。

辻政信」については、9回ほどこの日記でも取り上げている。ご参考までに。