新コラムニスト歓迎

 4月1日から、朝日の看板コラム「天声人語」の筆者が交代する。今までの人は笑える人が多かったので、次の人に期待している(笑)。今日のお題は「公衆電話の真価」。今、公衆電話とくればもちろん「朝霞少女誘拐監禁事件」とくる。書き出しはこうだ。
《15歳の女子中学生が監禁先から逃げ出して救いを求めた公衆電話は、東京のJR東中野駅の構内にあった。「SOS110119そのままダイヤルして下さい」と表示がある▼ブカブカの服にサンダルばきの少女はここから自宅に電話をし、警察に通報した。居合わせた会社員によると、駆けつけた署員が名を確かめたとき、少女はここから自宅に電話をし、警察に通報した。》
 全614字中、書き出しのこの部分を含め260字が新聞からの情報である。ここまでならアホのワシャでも書ける。なお、この「天声人語」の冒頭はここで読める。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12288450.html?ref=tenseijingo_backnumber
 が、一手間かけないと全文はよめません(苦笑)。
 続ける。
 この後、天声人語氏は東中野駅構内に「公衆電話がなかったらどんな恐ろしいことになったか」と驚愕してみせ、四方八方に公衆電話が設置してあるかどうかを捜し歩いたそうな。でね、なかなか見つけられなかったと嘆いている。
 そうかな、西三河の田舎でもちょいとうろうろすれば公衆電話は見つかる。天声人語氏の探しようが悪かったんじゃないの。本当に探していたのかな。築地のオフィスの机の下でも探していたんじゃないの。
 途中で、夢野久作の短編「鉄鎚」に登場する「電話の神様」を引くところがこのコラムの唯一の味噌だ。130字で「電話には不思議な力が備わっている」ともっともらしいことを言い、結びである。
《少女は機を逃さず、公衆電話へ走り、硬貨を入れ、自宅の番号を正しく押した。》
 これもニュースそのままの話である。その後ろに、《2年という闇の長さを思えば、その沈着さは一条の光のように映る。「電話の神様」も感心して空から見守ってくれたに違いない。》チャンチャン。
 ううむ、華々しいデビューのコラムがこれかぁ……ある意味、先が楽しみだなぁ。