街をつくる

 一昨日のこと。金山駅前(名古屋)で某学校の同級会をささやかに開いた。金山へはJRを使う。特別快速なら刈谷から一駅17分で着く。手前の安城駅からでも23分である。それがまた踏切でのアクシデントだった。人身ではなかったようだが、誰かが非常停止ボタンを押したらしい。17分で行く電車が45分かかってしまった。結局、遅れた分だけ積む客は増える。ワシャは自転車で職場に通っている者であるから、超過密な通勤電車など知らない。なにしろ隣の人とは体が密着し、間の鞄が持っていなくても下に落ちないというのだから驚きである。運よく、ワシャの前は友人で、左右と後ろは男性だった。これが女性に囲まれていたとしたら、「冤罪も起きうるな」などと思う。
 昨日の「出没!アド街ック天国」である。舞台は江戸川区西葛西、営団東西線で大手町まで15分。これは都心直結ですな。だから、高層マンションが多い。大手町の大企業が社宅として借り上げているので、恵まれた裕福な住民が多いのだろう。街を眺めてもなんとなく小ぎれいで、子育てには行政がずいぶん配慮していることがうかがえる。
 首都圏と単純に比べても仕方ないけれど、それでも名古屋圏、大阪圏はがんばったほうがいいと考えている。たとえば「住みたい街ランキング」
https://suumo.jp/edit/sumi_machi/2015/kanto/
の上位にならぶ吉祥寺、恵比寿、横浜などに比肩できる街が名古屋圏にあるだろうか。ワシャがよく知っているのは、26位の立川くらいで、そこにしても名古屋の金山より街づくりが成功している。街そのものに魅力があるのだ。
 名古屋はかつて「大いなる田舎」と揶揄されたことがある。実質、現状もそこから脱していないと思う。もう一歩、あか抜けない。これはトップの責任でもある。河村市長が「ミャーミャーミャーミャー」口走り、泥くさい田舎者を演じているところに起因する。そのださいイメージに名古屋市どころか、周辺の市町までが悪影響を受けている。知人によれば「いい人」らしいのだが、きちんとイメージ戦略ができていないトップなど百害あって一利なしである。この人の話になると長くなるので、ここいらで止めておくが、とにかく東海の雄である名古屋市には牽引車となってもらいたい。でないと、裕福なんだけどパッとしない町(街にすらなれない)が、名古屋周辺に犇めくことになる。
 名古屋の中心まで20分圏域の刈谷安城あたりは、すくなくとも西葛西くらいにはいい勝負が出来そうだと思う。今、食いついていかなければおそらく百年経っても追いつけまい。名古屋をあてにせず、名古屋を利用して街を興す。「アド街ック」を見ていて、そんなことを考えていた。