こけた

 先週のことである。ワシャはもっぱら自転車で移動をする。その日も、ちょいと所用で隣の駅町まで出かけた。天気は上々。周囲の田んぼにはひこばえが青々と生える。北風以外はもう春の田園風景である。ワシャは幹線道路の歩道を北西に向かって走っている。三河の地では北西から強い風が吹く。伊吹おろしというやつで、これと真っ向勝負して自転車を必死に蹴ったくっていた。
 交差点に出た。歩行者溜りとしてバチが広くとってある。田んぼとの高低差は1mくらいかなぁ。転落防止のために鉄製の白い柵が施してあった。風が強かった。ワシャが向かう方向の信号は赤だったのでゆっくりと立ち漕ぎをしながら青を待つ。その時、風が巻いた。風向が変わって真横から力がかかった。ワシャはあっけなくバランスを崩して、歩道にひっくり返っていた。
 カッコわりー!急いで立ち上がるが、ハンドルは曲がるし、ペダルは折れている(もともとペダルは折りたためるタイプのものなんですが)。信号は青になったし、あわてて自転車を押して、衆人環視、横断歩道を渡ったのである。反対側の歩行者溜りで、ハンドルを修正し、ペダルをもとに戻した。あとは自分自身である。右膝小僧を打っていた。ハンドルのバーで胸を打っていた。右手の平は受け身をとったために擦過傷が少々。左肘にも痛みがある。それでも手袋をしていたのと服を着込んでいたので、派手な転倒のわりに被害状況はそれほどでもなかった。以前、立川駅前で転んだ時には、右手重症、右足重症、腰も痛めて、ボロボロだった。そのことを思えば、さしたることもない。
 昔は、これでも社内の自転車部のキャプテンだったこともある。「1日で太平洋と日本海をつなごうツーリング」と称し、三河から富山市まで走ったこともある。「1日で琵琶湖一周」なんてのもやった。石川県内灘町のロードレースには毎年参加したものである。そのロードレーサーがあれしきの風で転倒するとは……。歳をくったということなのだろうか。あるいはダイエットで軽量化したため、風に舞ってしまったか(泣)。
 昨夜、某所でささやかな宴を持つ。3時間ほど楽しく飲んだのだが、締めに食べた「どんなもんじゃい」580円(税別)というメニューが美味かった。玉子、とろろ、豆腐、ご飯をかき混ぜて、鉄板で焼いてある。友だちは「もんじゃ風の玉子かけご飯」と言っていたが、これが焦げると抜群にまいう〜なのだ。こちらはこげたけどこけなかった。