昨日の夕方のことである。ワシャは所用で隣町まで行くのに、ずっと幹線道路を自転車で走っていた。東西に延びる幹線には両側歩道があって、ワシャはちょうど夕日に向かって右側の歩道でペダルを踏んでいた。西風が向かい風になった。だからなかなかスピードにはのれずに、さすがの流星号もノロノロとしか進まない。
大型スーパーを過ぎ、工場に差し掛かったあたりから、道路の向こうの歩道に動く気配があることに気が付いた。横を見ると、工場の高い塀が影をつくっているので、見難かったが、よく見れば体操着姿の少年――体躯からみると小学校4年、あるいは小柄な5年生といったところ――がワシャと同じ方向に駆けているではないか。
そのスピードがちょうど同じなんですな。両側の歩道をまるで打ち合わせをして走っているように、ずっと並んで西に向かっている。
ワシャが気が付いたように、少年のほうも反対の歩道のオッサンに気が付いたようだ。チラチラと意識してこちらを見るようになった。ワシャも気になるからチラ見をしているから、たまに視線があったりする。途中からは、両者ともスピードを調整しながら離れずに走っていた。どうだろう、1000mくらい並行移動したかなぁ。
大きな交差点に出て、そこで西向きは信号待ちになった。ワシャはこの交差点で左に曲がっていくので、横断歩道を左側に渡った。そこで膝に手をついて「はあはあはあ……」と息をする少年と一緒になった。
後ろから「がんばってるなぁ」と声を掛けると、少年は振り向いてニヤリと笑った。歩行者用の信号が青になったのを合図に、少年は夕日に向かって猛ダッシュしていった。
ワシャはその先、幹線から外れて田んぼの中の舗装されたあぜ道を走っている。人通りなんかめったにあるところではない。でも、昨日は対向から自転車に乗った大太りの女がやってきた。ハンドルに肘をついてスマホをいじっていやぁがる。あぜ道とはいっても、車が走れるくらいの広さはあるので、自転車がすれ違うことは充分に可能だ。しかし、太った女はスマホに夢中で、道を蛇行しながらやってくるのじゃ。ワシャは速攻でベルを鳴らしてやった。
女はハッと顔を上げて、舌打ちをしてワシャを避けて行きやがった。外国人だった。
なんでワシャが見ず知らずの外人に舌打ちされなければならないのか。
今朝の新聞に「むこう5年間で35万人の外国人を受け入れる」とある。おいおい、それでなくとも西三河なんか外人があふれ返っているのだ。誰も通らないあぜ道にも、なん仕事もせずに喰っちゃ寝て太っている外人がスマホをやっているのである。35万人が飛騨の山奥や三重県の南にやってくるとは思えない。外人だって便利なところに住みたいし、仲間がコミュニティをつくっているところが安心だからね。
そういった意味では35万人の多くは、今、外人が多くいるところに集中することは目に見えている。
この世紀の愚策はなんとか阻止しないといけない。