昨日の朝の出来事

 ワシャは通勤に用水の上に整備された自転車道を使っている。総延長27キロあってサイクリングでもなかなか走り甲斐がある。ただ、ところどころ車道と交差しているので、そこのところばかりは注意して左右の確認怠りなくゆっくりと走行しなければならない。あわせて車道境には直径15センチ高さ90センチほどの車止めが2本3本立っている。これにも気を付けないと、たまにハンドルやペダルを引っかけてしまう。
 昨日の朝のことである。ワシャの5mほど前を中学女子が2人、楽しそうに話しながら自転車で並走していた。車道との交差部の横断歩道では女性ドライバーのワゴンがかなり遠い位置から停車して待ってくれている。中学生は駄弁りながら通過する。ワシャは待っていてもらったので、当然だけど会釈をして通過する。その時である。ガシャン!と音がして、ワシャの目の前で右側の中学女子が車止めに激突したのだ。みごとに中学女子は宙に投げ出され、アスファルトに投げ出された。ヘルメットをかぶっていてよかったね。自転車は車止めに引っ掛かって、後輪を上にして起立している。
 ワシャはとっさに流星号(ワシャの自転車ね)を車道との境界あたりに、自転車道を通行止めするようにして停めた。後続の自転車が突っ込んできたらたまらないからである。そうしておいて中学女子に「大丈夫か?」と呼びかけた。中学女子は自力で立ち上がったので少しホッとした。次に車止めに引っ掛かって立ったままになっている自転車である。そこはそれ、カッコいいオジサンにならなくっちゃいけないので、いかにも「軽いですよ」といったふうを装いながら、自転車を車止めから外して、アスファルトの上に置く。「ケガはないか?」と問うと、右腕を押さえているがコクンと頷いた。ああ、よかった。「気を付けないといけないよ」月光仮面のオジサンは、そう言い残して颯爽と去って行ったのであった。エンド。
 この時期、市内の中学校では「職場体験」ということで、あちこちの事業所に生徒を送り込んでいる。だから朝から自転車道は普段見慣れない中学生の自転車が目につく。普段走りなれていないので、事故も起きますわなぁ。走りなれているワシャでさえ、時折、車止めに引っ掛かって転倒するのである。実はこの間も転倒した。残念ながらオッサンだと誰も助けてくれないけれど。