恥を知れ

 このやり口は卑怯だ。
《「東北の魅力」紹介行事、急きょ中止に=市民団体の反発考慮か―ソウル》
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160220-00000031-jij-kr
 これが彼の国の政治のやり口である。
《「福島、宮城、青森の各県は、(東京電力福島第1原発事故で)汚染の被害を受けた地域で、水産物の韓国への輸入が制限されている」と強調。「行事では福島県産の菓子も広報対象に含まれている」と指摘し、日本大使館に対し、行事の取り消しと謝罪を要求。韓国政府にも、日本側に中止を求めるよう訴えていた。韓国当局は市民団体の反発を考慮した可能性がある。》
福島県産の菓子」って、おまえなぁ、福島県ってどれほど広いか知っているのか。
 ワシャは、3.11の後、すぐに福島に入って、飲んだり食ったり宴会を3カ所でやってきた。その後も何度か遊びに行った。それがささやかながら復興支援だと信じている。その時に、福島の酒を飲み、福島の肴を食い、福島の菓子をほおばってきた。それが東北への友情だと思ったし、それくらいしかできなくて申し訳ないけれど、なるべくこちら(愛知県)でも、福島の酒「奥の松」や「榮川」があれば、率先してそれらを注文する姿勢に変化はない。この間の送別会でも「赤べこ」と「会津若松城」のピンバッチをして自慢していたくらいなのじゃ。
 それがどうであろう。「戦時売春婦問題」で口を封じられると、速攻でこういったところに「悪口」を転回する。おみごとな国柄としかいいようがない。これは長く「儒教体制」を押しいただいてきた後遺症なのである。このあたりは浅学なワシャが言っているのではない。一万円札の福沢諭吉先生が言っているのだからザマーミロ。
儒教体制」は「その実際においては真理原則の知見がない」と言われる。「真理原則」というのは「国際的公的基準」を指す。つまり「世界に通用する普遍的な考え方」を持っていない。そう指摘している。
 欧米はもとより、台湾やフィリピンでも、現在の関係を慮り、つまらないことあえて言い立てるようなことはしない。あるいは根拠のない言いがかりだったことに気がつけば、自ずと口をつぐむ。それが大人の対応というものであろう。それが、なんでもかんでも喚いた方が勝ち、その喚きに根拠などというものは微塵も必要がない。嘘でも捏造なんでもいいのである。派手できらびやかであること、これがなにより重要なのだ。
 福翁曰く「一より十に至るまで外見の虚飾のみを事として、その実際に於ては真理原則の知見なきのみか、道徳さえ残刻不廉恥を極め、尚傲然として自省の念なき者の如し」
 両国で進めてきたイベントを、急きょ止めるということが「恥を知らない」ということなのである。根っからそう思っているなら最初から話を持ちかけなければ済むことだし、乗ってこなければいい。それを実施まで努力をさせておきながら、「市民団体」という根があるのかどうかもわからない、喚くことだけが仕事のような連中にかこつけて、中止に追い込む。それも弱いところ、もっとも手を差し伸べなければならない地域をわざわざ突いてくるやり口、これが真理原則によって立たなければならない国家のすることか。
 不幸な国柄への批判もこめて、当分の間、福島にゆかりのピンバッチを外さない。