送別会

 今年の我社の定年退職者は多い。そんな事情もあって2月に送別会が集中している。その前半のピークが昨日終わった。週に3つ、そのうちの2つが連投となるとこれはいささか厳しい。
 それでも最近は送別会が少なくなっている。昔は「送別会の数がオレの誇りだ」と思っている退職者もいて、入社以降の全課、社内の同好会、同窓会、クラブ、他企業との懇親会などで、30回を数えた豪の者もいた。その人は、退職後に体調を崩されてしまったと聞く。今なら「あほらしい」と思うんだけど、10年ほど前はそんなことを競っていたんだね(笑)。

 昨日は、入社のときに同じチームを組んでくれた先輩の送別会だった。真面目で人柄のいい人だった。ただ真面目過ぎるのが玉に傷で、石部金吉をさらにコンクリートで固めて表面を鉄でコーティングしたような人だったから、ワシャのように柔らかすぎる後輩には手を焼かれたことだろう。
 仕事でも真っ向から意見の対立をすることがあって、後輩の分際でずいぶんな発言をした。その時は、先輩も憤慨して怒るのだが、議論がすめばわだかまりをサラリと捨てて、普通に話してくれる人だった。過去のことをネチネチと引きずるタイプの上司もいるが、その点、この先輩の下で働くのは苦痛ではなかった。
 宴会終了後に、「お疲れ様でした」 と肩を叩くと、うれしそうに笑って帰って行かれた。先輩、前歯が抜けたんですね。なんだかお茶目ですよ。あまりタバコを吸い過ぎず、健康に退職後の人生を楽しんでください。