時を得ば怠ることなかれ

 とりあえず退職辞令は金曜日に交付された。

 とはいえ、辞令の日付は平成30年9月30日なので、今日までは書類上は現役ということになる。ただ通例として、月末が土日の場合は、カレンダー通りの適用となるので、実質9月28日が最終日である。

 ところが、机まわりの片付けをしようと思っていた28日の午後は、まるっと来客で時間を取られた。夕方からは、そのまま支店の送別会があって、担がれるようにして事務所を離れてしまったので、机のまわりは作業中の状態。

 ということで、昨日は朝から出社して整理整理、清掃清掃。机や椅子、ロッカー、キャビネットなどをきれいに拭き拭きして磨き上げたのだった。

 とにかく、塵ひとつ残さず、ワシャの痕跡は跡形もなく消してしまうことを心掛けている。なぜかというとワシャのやり方に囚われてはいけないと思っているからである。次を担ってくれる後輩たちは、彼らの発想で自由に仕事を進めていけばいい。そういうことである。

 杜甫が曰く「人生相見ざること、動(やや)もすれば、参(しん)と商との如し」と。この人生において、人と人との出会いはまことに難しい。参星(オリオン座)と商星(さそり座)が同じ夜空に見ることが出来ないのに似ている。人との出会いはそれほどに貴重であり、出会ったときの喜びは一入である。

 ともかく、ワシャはつねにネットワークが大切であると周囲や後輩に説いてきた。ことほどさように人との出会いは大切であり、そのことでワシャはずいぶんと助けられてきた。ありがたいことである。