書評『日の丸を視る目』

 写真家の石川真生氏の写真集に『日の丸を視る目』(未来社
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624710934
がある。ご本人は「日本人ではなく沖縄人」と言ってはばからないサヨクなのだが、それにしても自国の国旗をここまで貶める感覚にはついていけない。「日本人をやめればいかがか」と言いたくなる。
前書きにこうある。「日の丸の旗を持たせて、その人自身を、日本人を、日本の国を表現させたらおもしろいんじゃないか」
 企画としてはおもしろい。しかし、その底辺には最低限の国旗への敬意が払われていなければだめだ。少なくとも、多くの日本国民がその国旗を敬し、それによって元気をもらったり、仕事にはげんだり、誇りをもっているのだから。同様のこととして、ワシャが支那中国の「五星紅旗」や大韓民国の「太極旗」をわたされ「その国を表現せよ」と言われても、それらの国旗を愛している人がいる以上、その国旗に対し不敬なことはできない。それが普通の常識と理性をもった人間の感覚ではないだろうか。
 たとえその国旗に憎悪をもっているとしても、我々はISのような過激派ではない。お互いに踏み越えてはいけない一線を守ることが理解をすすめると思っている。
 写真集にもどりたい。100枚100人の写真である。その中で悪意のあるものが55枚、丁重にあつかっているのが30枚、なにが言いたいのかわからないものが10数枚。あきらかに比率が違うだろう。
 写真ののっけは、沖縄国体で日の丸を掲揚塔から引きずりおろした男である。その時のしわくちゃの国旗を開いて見せている。その他にも日の丸を踏んづけているもの、破いているもの、汚損してあるものとやりたい放題である。その間にアリバイのように、健全な人たちを30人ほどはさんであるけれど、その人たちに対しても他のページは失礼だと思う。石川氏のカメラの前に立ってくれた30人にどう説明するのだろう。しないと思うけれど。
 最終ページは著者自身が出てくる。国旗のまんなかに穴を開けて、自身の人工肛門を出している。説明を読むまでは亀頭に見えた。最低だ。ここまで国旗を侮辱し、他者のことを慮れないとは……。
 ワシャは本を捨てた。