ヘタ文で笑わせるコーナーですよね

 1月17日からずっとコラムについて話題にしている。コラム中の「〜だ」という語尾の「だ」率についてかなり触れてきた。この「だ」率については、名コラムニストでもある日垣隆さんが『エースを出せ!』(文藝春秋)の中で使われたのが初出だと思っている。
 コラムを構成する文のうち「だ」で終わる分が10%を超えると悪文、15%を超えると幼稚の領域に入ると言われるのだ。とくに「のだ」率が多いと、バカボンのパパ状態に陥るのだ。
 前文2つの「のだ」は全部いらないのだ。もちろんこの「のだ」も必要ないのだ。「のだ」「のだ」とうるさいのだ。そういうことなのだ(笑)。
 いいかげんうるさくてすいません。
 日垣さんは、朝日新聞天声人語の中でもいい書き手だった白井健策氏を引き合いに出して、こう言っておられる。
《最も強調をしておきたい一文の末尾に毎回一度、せいぜい二度しか使っておらず、「だ」率は四%にすぎない。》

 さて、「週刊朝日」の1月29日号である。最近はこの人のコラムが楽しみになってきたなぁ(泣)。北原みのり氏の「ニッポンスッポンポンNEO」である。内容などどうでもいいので、とりあえず「友人の同性婚カップルに贈る文章」だと思ってもらえばいい。
 1200字のコラムが、36文、数え方によっては37文で構成されている。その「だ」率である。なんと25%だった。幼稚の域をこえてしまった。文章のそこいらじゅうに「だ」が連発される。そして「のだ」率が16%であった。ほぼバカボンのパパ
 語尾の汚さは、「だ」「のだ」だけではない。「……か?」という疑問文が5文続く。そのなかに「……か?」と「……か。」が混在するので見苦しい。「……に。」も3文続いている。
 コラムの「転」の部分が2段260文字で書かれている。ここに「一人一人違う」という言葉が3度出てくる。その他に「違う」は2度、「のだ」は3回、「に。」の3回もここにある。だから文章が「違う違う違うのだのだの〜だ」と見える。そして、「結」は完全に友人あての私信である。こんなのに原稿料が支払われているのだろうか。北原氏の無料の投稿としてもひどすぎる。
 やはり名コラムニストの勝谷誠彦さんが、雑誌の売り上げの落ち込みを嘆いておられた。そりゃぁこんな文章を載せて売っていれば販売部数も落ちていくのは必然だろうと思う。
 と、言いながら、来週の「週刊朝日」が楽しみではある。ヘタ文で読者を笑わせるコーナーということならそれはそれでいいけれど。