先日、とある駅前でのこと。たまたまパチンコ屋の前を通りかかった。何気なく眺めると、およよ、このパチンコ屋は中が見えるではあ〜りませんか。最近は目隠しをして、中が覗えないような設えの店舗が多いが、そこは違っていた。パチンコ屋の中を見るのは、久しぶりだったので、しげしげと覗かせてもらいましたぞ。
覗いてみてびっくりぽん、その店舗だけなのかもしれないが、午後3時過ぎだというのに、中はガラガラだった。ワシャはパチンコ屋に行くという習慣がないので、よく判らないが、こんなにガラガラで経営が成り立っていくのだろうか。
ワシャの高校時代である。それほど出来のいい学校でもなかったが、それでも一応は進学校だった。時々ヘンなのも混じってはいたが(笑)、おおよそは真面目な学生だった。
それでもね、クラスに数人はパチンコ屋に通っているヤツがいたものである。真面目そうなヤツでも、学校帰りに制服の上着を丸めてバッグに突っ込み、ウインドブレーカーなんかを羽織ってパチンコ屋に……そんな学生がけっこういた。まだまだパチンコ人口が多かったころの話だ。
ワシャは、パチンコ屋の大音響が得意じゃなかったので、あまり行かなかったのだけれど、当時は、朝からパチンコ屋の前に行列ができて、その中に同級生もいたりして、そいつが大人と台の取り合いをしていたり、そんなに人気があった。映画とかテレビとかにパチンコ屋のシーンが出てくるけれども、凄まじい音響とともに、必ず混んでいるのが定番のような気がするのだが。
しかし、駅前のそこは開店休業のような状態だった。たまたまそこのパチンコ屋がそうだっただけなのかもしれないが、それにしても「空いている」を通り越して「閑散」としていたわい。
数日前にそんなことがあって、このニュースだった。
《「生活保護者が朝からパチンコはよくない」別府市の「巡回」「支給停止」にネットで賞賛相次ぐ》
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151217-00000002-jct-soci
ワシャが通りかかった町でも巡回をやっていたのだろうか。ニュースによれば、2回見つかると次の支給を減額され、3回以上見つかると、2カ月以上の減額になるという。たしかに閑散としたパチンコ屋があった町も、生活保護受給者の多い町だったからね。ちょうど巡回の時間帯にあたっていたのかもしれない。生活保護で悠々自適にギャンブルをしていた人には冬の時代の到来になるのだろうか。
記事のタイトルにあるように、この巡回に対しネットでは「賞賛相次ぐ」のだそうな。たしかに生活保護費を遊興に費やしてしまうというのもいかがなものかとは思う。そこに異議を申したい一般納税者の言い分も理解できる。しかし、賞賛の声が巻き起こるというのも考えものだ。ましてやパチンコ屋に入っていく生活保護受給者を通報する仕組みができあがるというのも、なんだか殺伐としているなぁ。
でもね、《識者からは、「監視社会を招く」と条例施行を懸念する声も上がった》らしいけれど、そういった状況をすぐに「監視社会」と言い切るのもどうかと思う。
日本人の悪弊と言っていいのか、何事も極端から極端にはしる嫌いがある。「生活保護費を使って遊興するとはなにごとか!」から「監視社会を招く人権侵害を許すな!」と両ぶれすること甚だしい。
中庸を行けないものだろうか。いい加減なワルシャワは、そう思うのであった。