大阪でんがな その2

 河内小阪で下車。もう通い慣れた道なので、駅を出た南のアーケード街を進む。それにしてもシャッターを下ろした店が増えた。どうであろう。半ばは閉まっているという感じか。最初にこの街を訪れた頃は、けっこう賑わっていたものである。東大阪といえど、商店街の存続は厳しいようだ。
 さて、半ばシャッター街を抜けて、さらに真っすぐゆくと、公民館に突き当たる。そこで左斜めに道を選ぶと、公民館の裏が小さな公園になっている。ここに「二十一世紀に生きる君たちへ」という司馬さんの詩が刻まれた碑が立っている。この詩は、司馬さんから子供たちに贈られた遺言と言っていい。世界の子供たちがこの詩に触れて、素敵な大人になることを司馬さんは祈っていた。
 さらに住宅街を進むと、左手に「司馬遼太郎記念館」が見えてきて、安藤忠雄氏の建築を楽しむ。玄関で、司馬遼太郎直筆の表札を見つけ、券売機で券を買って庭に入っていく。そこでワシャはおもむろに「虫よけスプレー」と「オペラグラス」を2つキャリーバッグの中から出すのだった。なにに使うんでしょうね(笑)。