所詮異邦人

 昨日、休日だったが出勤した(ヘロヘロヘロ……)。朝一番に社長から業務連絡は入るし、仕事関係の人物が骨折事故を起こすし、無遠慮は業者はひっきりなしにやってくるし、静かに先週の会議のまとめをしようと思って出勤したのに(トホホ)。でも、午後をがんばったのでなんとか予定の仕事は片付いた。夕刻になり、終業のチャイムが鳴る。ああ、今日も忙しい一日が終わったか。
「よっしゃー、さっさと帰って大相撲の十四日目を楽しむか!」
 急いで走れば、最後の二〜三番はテレビで観られる。今日は負傷しながらも土俵をつとめる照ノ富士豪栄道大関決戦にのぞむ。打ち止めの横綱鶴竜大関稀勢の里の一番も楽しみだ。
 ところが、職場で午後5時過ぎにトラブルが発生した。その対応に1時間半かかり、結局、自宅のテレビの前に座ったのは午後7時過ぎ、当然、大相撲は観られなかった。
 でもね、NHKの7時のニュースのスポーツコーナーで観たかった二番は放送してくれたんですよ。右足の怪我している照ノ富士はまったく相撲になっていなかったが、それでも土俵に上がろうという意気込みやよし。
 そして、優勝の行方を占う横綱大関決戦。照ノ富士の怪我で、がぜん稀勢の海にも優勝の目が出てきた。ここで横綱を下せば3敗で並ぶ。もちろん横綱だって意地がある。ここは大関を一蹴し横綱の強さをみせても欲しい。
 ところがだ。横綱鶴竜は立ち合いで、あろうことか右へ変化した。横綱は下位の力士に対して絶対にやってはいけない禁じが「変化」である。勝負を逃げて、相手をかわすなど横綱の取り口にはない。この立ち合いで、鶴竜は手をつかなかった。だから仕切り直しとなる。これで真っ向勝負になる。国技館の客もテレビ桟敷の客もみんなが期待した。仕切り直しとなって二度目の立ち合い。横綱は、ひらりと左へ変化した。これはもう横綱ではない。平幕の力士だって、そこまでバカなことはやらない。鶴竜は一人横綱で頑張っていると思っていた。今場所すでに一度変化をしているが、それは大目に見よう。相撲ファンはみんなそう思っていたに違いない。しかし、一つの取り組みに二度の変化、これは長い相撲の歴史の中でもありえない恥の記録である。そんなことまでして勝ちたいか(嘲)。帰れ!モンゴルへ。
 やはり異邦人に日本の心は育まれないのか(泣)。