東寺講堂の仏様の中に軍荼利明王がおられる。
http://www.touji-ennichi.com/info/gundarmo.htm
なかなか勇ましい明王である。
仏に段階あるのは有名ですね。悟りをひらいた「如来」は、釈迦如来、大日如来、阿弥陀如来、薬師如来などである。如来になるための修行中なのは「菩薩」で、観音菩薩、地蔵菩薩、弥勒菩薩などなど。軍荼利明王を含む「明王」はその次の段階で、如来や菩薩を守護する役目、また邪悪なものから人をガードする役目を担っている。だから、例外はあるが、ほとんどの明王が憤怒の表情を持っている。穏やかな如来様や菩薩様もいいが、ワシャは、どこかイライラしているような明王様たちのお顔に親しいものを感じる。
とくに軍荼利明王は気に入っている。といっても東寺の軍荼利明王しか知らないけれど、この明王が体中に蛇を巻きつけているところがいい。蛇は煩悩の象徴で、ワシャのように煩悩の塊のような人間は、軍荼利明王に「喝」を入れてもらわなければ、まともに生きてはいけない。
先日、ある宴会でかわいがっている後輩に怒ってしまった。その2〜3日前からイライラしてはいた。原因もわかっている(なかなか口にはできませんがね・笑)。とにかく、軍荼利明王のごとく、頭にも手にも足にも蛇がからみついて、かなりイラついているのは自身のことなので感じていた。平静をよそおい慎んでいたのだが、そこに小さな小石が投げられたことで、爆発してしまったんですな。
思い起こせば30年も昔、呑みに行けば必ず喧嘩をして帰ってきたものだ。あの頃はいつもイライラしていた。40を超して、そういったことはなくなった……とは言いません。少なくなったくらいにしておきますが……最近は穏やかになったと思っていたが、相変わらず人間が練れていない。煩悩、執着が捨てきれないのだ。
また軍荼利明王に会いたくなった。