あきらめる……

 難しい問題だ。
《家族・友人「祈ることもできない」 御嶽山再捜索終了》
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150806-00000060-asahi-soci
「おまえの家族だったり、親しい友人だったらどうなんだ!」と叱られそうだが、まさに噴煙を上げている火口近くで、捜索隊に「それでも捜索を続けろ」とは言えない。
《一緒に登山していた友人の男性会社員(47)は、「自分ができるのは、見つかることを祈るだけだった。捜索が終わっては祈ることもできない。もっと続けて欲しい」と話した。》
 こう考えればどうだろう。御嶽山は信仰の山である。神のおわす山である。その御霊は御嶽大神とともに御山にあると思い、御山に手を合わせることで、少しは慰められないだろうか。
 一刻も早い発見は誰もが願っている。しかし、火山活動が続く火口付近では、いくら120人の捜索隊と言えども非力だ。一旦、火山が怒り狂えば彼らの身も危険になる。おそらく御山で眠っている方々も、他者を危険に晒してまで……と思っておられるに違いない。

 おまえは猿か!
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150807-00010008-saitama-l11
 詐欺容疑で逮捕される寸前にベランダから逃げ出した猿……いやいや人がいた。「警察官が『おい止まれ』『諦めろ』と大きな声で呼び掛けていた」らしい。しかし敵はさるものひっかくもの、容疑者もはいくつものマンションを軒をつたい、樋をたどって、まさに猿の如く、ひらりひらりと逃走する。江戸時代なら「猿(マシラ)の伝蔵」とか呼ばれた盗賊になっていたことだろう。

西伊豆感電死 電気柵設置の男性が自殺》
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150807-00000551-san-soci
 なんともやりきれない結果になってしまった。「誰が悪かったんだ」と突き詰めていくと、アジサイを食った鹿が悪いのか……しかし、里山まで鹿やイノシシが出てくるような状況をつくった政策のせいなのか。左筋の方のようなことを言ってはいけない。悪いのは鹿にしておこう。
 いずれにしてもだ、普段は寄り付きもしない西伊豆にマスコミの連中が押し寄せて、「どうして柵を放置していたんですか?」「犠牲が出てしまったことをどう思われるんですか?」「アジサイと人の命のどちらが大切なんですか?」などと阿呆な取材をしていたのだろう。
 そういうマスコミの無神経さがこの男性をあきらめの境地に追い込んだのかもしれない。いやいやそうに違いない。