最近、サザエさんを見なくなった。というより見たくなくなった。ワシャが物心つくころには、サザエさんはマスオさんと夫婦になっていて、磯野家に同居していた。小学4年のころには一所懸命に朝日新聞の四コマ漫画を切り抜いて、帳面に張り付けていたものである。
時は過ぎて、マスオさんの歳をこえ、舟さんどころか波平さんの年齢も過ぎた。時代は変わって、和服で割烹着を着ているお母さんは見当たらないし、黒電話を使っている家もないだろう。一時代までは、それでも今ある風景だったのだが、いつの頃からか、現実とのギャップが激しくなって、近所にいそうな家族から、アニメの中にしか存在しない架空の家族になったのだ。もうそうなるとシンパシーを感じなくなってしまった。
ゴルゴ13も同じである。1968年(大阪万博の1年半前)に登場し、以来、ずーっと殺し屋をやっている。47年が過ぎて、すこし体格はよくなったが、その容貌はまったく変わっていない。年齢はわからないが、デビューの歳を20歳(一流の殺し屋で20歳はなかろうが)としても、現在、67歳である。67歳なら若作りの爺さんもいるんで、鍛えぬいたゴルゴ13ならありうるかもしれない。が、過去のエピソードの中には、大東亜戦争などに関わったとする記述もある。そうすると70代〜80代で、それはないだろうということで、毎回、読むのだけれどゴルゴ13は無視をして、その背景だとかどういったトリックで仕事を遂行するのかというところを中心に読むようになっている。
なにしろ、年を取っていかない主人公は、こちとらのメルクマールになってしまって、ずんずんと年齢を重ねていくことをついつい自覚させられる。それでもいいんだけれど、100年経ってものんきに走り回っているだろうなぁ。サザエさんもカツオくんもデューク東郷も。