拝金主義の悲劇(死者の金を食う虫) その1

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100828k0000m040097000c.html?inb=yt
 明治32年生まれで、中央大学法学部卒なら立派なものである。その妻も教員だったというから知的レベルの高い家庭だったのだろう。この記事の中でも、近所の人が、「かつては良家だった」と証言している。
 ふうむ……60年前は良家だったのか。そりゃそうだわな、大学卒の父親(51歳)と教師の母親(47歳)が働いていればかなり裕福だろう。長女(21歳)は近所の子供に洋服を作ってあげたりして、「優しいお姉さん」だったそうな。
 ところが30年前にこの一家を見たときに、明るい良家のイメージはなくなっていたという。この30年で何があったのか。
ここで、三河のコナン君と言われるワシャが推理した。

 少なくとも1950年(昭和25)には一家は幸せだった。それから30年、1980年(昭和55)には、宗現さんは81歳になっている。奥さんは77歳で長女は51歳だ。その長女はすでに結婚しており、その配偶者は53歳、長女の息子は19歳である。
 このころに宗現さんは「即身成仏をしたい」と思い始めた。いくら実家が寺だとはいえ、唐突に「即身成仏」は出てこないだろう。80歳を越えた宗現さんを何がそこまで追い詰めたのか。
 ワシャは、長女の夫のマスオさんが諸相の因ではないかと思っている。この一家の家族構成が60年前と30年前で変化しているところは、マスオさんと夫婦の間にできたタラちゃんの存在だ。タラちゃんが因とも考えられなくもないが、少なくとも当時10代の子供である。高校時代にぐれたりしたのかもしれないが、両親のいる状態で祖父を「即身成仏」にまで追いつめるほどの影響はでまい。むしろ、ここでは婿のマスオさんのほうがカギを握っている。
(下に続く)