とりとめもなく

 先日、日曜夜のマンガ『サザエさん』で声優の入れ替えがあった。波平さんの声が、永井一郎さんから茶風林さんになった。違和感をうったえる人もいるけれど、ワシャは気にならない。永井さんの雰囲気をうまく醸していると思う。
 かつて『サザエさん』の実写版があった。観月ありさのではないですぞ。もっと昔、50年も前に、歌手の江利チエミ
http://www.geocities.jp/chiemi_eri/
サザエさんを演じていた。ワシャは見たことはないが、その実写版では『男はつらいよ』のおいちゃんこと森川信さんが波平を演じていた。その後、『サザエさん』は江利チエミ主演で舞台にも転じ、そこでも波平を森川さんがつとめたという。これがけっこう当たり役だったそうな。
 なんでそんなことを言いだしたかというと、昨日、『男はつらいよ』の第8作「寅次郎恋歌」のDVDを観ていて、そこで森川おいちゃんが妙に若く見えたのだ。だから実年齢はが気になって調べてみると、第8作の当時は59歳だった。
 よく寅さんが「柴又に住んでいる年寄り夫婦」とか「もうろくジジイとはぬけババア」などと悪態をついているので、どれほどの年寄りかと思えば、なんとお若いではあ〜りませんか。
二代目の松村さんや三代目の下條さんよりも、寅さんとの喧嘩に迫力があったことは山田洋二監督も認めるところである。

 波平さんの声が替わったことにネット上では賛否が出ているようだが、『男はつらいよ』でもおいちゃんは3人替わったわけで、とくに二代目の松村さんなどは、夜間学校の教師、住職、大学教授などいろいろな役で登場している。その都度「あれはおいちゃんではないか」とツッコミを入れていたら、映画などおもしろくもなんともない。そういったことも含めて、茶風林さんの波平を楽しめばいいと思う。

 寅さんのおいちゃんではない森川さんを観たいけれど、残念ながら50年も昔の話なので、実写版も舞台も映像が残っていない。そう考えると記録を残しておくというのは大切なことなんだなぁと思った。