議員の劣化

《そこは何といっても、二千石余の大身旗本の子息であるから品格も正しく、堀内源左衛門直伝の一刀流をおさめた権十郎だけに、これが十八歳の若者とは到底おもえぬ落ち着きがある。》
 池波正太郎が『おとこの秘図』の主人公である徳山権十郎(とくのやまごんじゅうろう)をこんなふうに描いている。人の上に立とうとする者、それはまず品格を身につけねばならない。そして何かしらの技量を学び、それを自らのものとし、その上で落ち着いていること。もちろん体の芯には多量の熱情や少しばかりの軽躁をスパイスとして持っていてもいい。しかし、普段は明鏡止水のごとく泰然としている。これが重要である。

 あちこちで議員が自爆をしている。もちろん議員の劣化は、他ならない有権者の劣化であるということを念頭において話をしたい。
 参議院議員上西小百合氏である。今までその存在すら知らなかったが、記者たちに追いかけられる動画が流れて初めて知った。う〜ん、まったくお顔に品格がなく、落ち着きもない。なにを仕出かしたかは差し置いても、これは人の上に立つお顔ではござらんねぇ。その関連ニュースはこちら。
《橋下氏、上西氏処分は4日に結論=本人は「旅行」否定》
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150403-00000173-jij-pol
《記者に巻き舌で「オrラァ!」とすごむ 維新議員秘書が話題「まるで...」》
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150402-00000005-jct-soci

 上昇志向ばかりが肥大化している「妖怪おとろし」こと片山さつきさんは、そもそもヘアースタイルからして品格がない。他者に自分がどう見えているのかということが意識できないのだから、政治の大局など理解できないのは自明の理。
《遅刻の片山氏、涙の謝罪=「悔しく申し訳ない」―参院委》
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150402-00000121-jij-pol
 泣いてでも、現在の委員長の椅子にしがみつきたいのかねぇ。一度鬱陶しい髪の毛をバッサリとショートにして出直したほうがいい。

 愛知県議選である。30人が無投票で当選した。これはその当選者がどうのこうのではなく、候補者がいなくて無投票になってしまったことに問題がある。選挙というものは有権者の唯一思いを表面化することのできる機会なのだ。それが形にならず、「立候補した人がみんな当選しましたとさ」では、なんのための民主主義であろう。立候補する人材が払底しているというのならば、それはそれで情けないことだし、志のある若者が立候補に踏み切れない制度や土壌があるとするならば、それも間違っている。根本的な部分を改善していかないと、号泣県議や逃走県議、セクハラ都議などあとを絶たない。

 武士は責任の取り方が明瞭であった。自分が成したことで責任を問われれば、腹を切る、それだけのことである。赤穂の浪人たちはご政道に背き、江戸で敵討ちを実行したから切腹をして果てた。彼らは従容として死んでいったのである。

 タヌキ顔のキャンギャルネーチャンも、妖怪おとろしも腹が座っていない。やったことに言い訳をせず責任を取ることだ。