国家老がアホ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141019-00000542-san-pol
 この件に関して、ワシャはあまり小渕優子経済産業大臣のことを責める気がしない。
 かつてワシャは小渕優子のことを「御輿」と書いたことがある。今でもそう思っていることに変わりはない。だから、政治資金の使い道を本当に知らないのだと確信している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141017-00000101-san-pol
「将来の首相候補」とか言われているらしいけれど、実質は群馬の御姫様でしかない。図らずもそのことを今回の件は露呈してしまったが、実際のところ姫御前に金のやりとりまで管理しろというのはどだい無理な話。

 アホの話はどうでもいい。それよりも昨日の、名古屋御園座錦秋顔見世歌舞伎のことである。昼の部に行ってきたんですよ。
 演目は「菅原伝授手習鑑」(すがわらでんじゅてならいかがみ)から「車引」(くるまびき)、この話の大元は文楽である。そして狂言からとりこんだ「棒しばり」。トリは名人円朝の落語から「人情噺文七元結」(にんじょうばなしぶんしちもっとい)の三本である。
「車引」は菅原道真にまつわる長〜い話の中の1シーンだけを切り出したもので、そこを観ただけではなにがなにやらわけが分からない。ただやたらと柝が打たれて景気がいい。松王丸、梅王丸、桜丸という兄弟がそろい踏みで見栄をきる。役者の顔見せにはもってこいの演目となっている……が、今般の名古屋では河原崎権十郎坂東亀三郎中村梅枝に、藤原時平市川團蔵である。おいおい公文協のドサ回りじゃないのだから、御園座でこの顔ぶれはないだろう。かつて歌舞伎座幸四郎團十郎菊五郎なんてこともあったのだ。
 歌舞伎見巧者を自任する岩下尚史氏は、相次いだ名優の死によって空いた穴はすぐに埋まるから心配するなと言っていたが、なかなかどうして、華のある勘三郎團十郎猿之助の穴は簡単に埋まるものではない。
 岩下氏については、ここ詳しく書いたのでそちらを読んでね。
http://d.hatena.ne.jp/warusyawa/20130423
http://d.hatena.ne.jp/warusyawa/20130526
 権十郎、亀三郎、梅枝では、華がないのである。

「棒しばり」は尾上松緑尾上菊之助が登場する。だから舞台が栄える。しかし、この演目は勘三郎三津五郎が得意としていたもので、やはり勘三津のコミカルさには及ばなかった。それでも菊之助は精進の跡が見て取れる。これからが楽しみな二人であろう。

文七元結」は落語の人情噺の傑作で、これで客を泣かせなければどこで泣かせるのだというほどの名作である。このドラマの主役である長兵衛という左官菊五郎が演じている。この役、菊五郎の当たり役と言ってよく、何度も演じているのでとてもこなれて自然体だ。女房役の時蔵もよかった。惜しむらくはなにせ名古屋市民会館は舞台の間口が狭く、長兵衛の長屋の風景がおさまらない。とても狭いところで、すし詰めになってドラマが展開されていた。