保守と主義

 戦後日本におけるもっとも正当な保守論客の福田恒存と、「ゴーマニズム宣言」の小林よしのりが同じようなことを書いている。
「私の生き方ないし考へ方の根本は保守的であるが、自分を保守主義者とは考へない。保守派はその態度によって人を納得させるべきであって、イデオロギーによって承服させるべきではない」
 こう言ったのは福田先生で、小林さんはこう主張した。
「思想とイデオロギーとは違う。主義者は思考することを止めたイデオロギーの信者である。イデオロギーは観念の体系を固い鎧で覆い、それ以上考えることをしない」
 司馬さんもこんなことを言い残している。
イデオロギーという色眼鏡で物を看てはいけない。イデオロギーでは人類は救えない」
 少しこのあたりのことを考えてみるとするか。