事実は小説よりおもしろい

 59県議のおかげで、いろいろなところから鼠があぶり出されてくる。やはり兵庫県の岩谷英雄県議(当選8回)もそうらしい。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201407/0007178824.shtml
 上記のニュースではまだ具体的なところまでは解明されていないようだが、昨日の報道番組を見ていたら、腹を抱えて笑ってしまった。
 地元のテレビ局だろう。逃げ回っている岩谷県議を追って、定例県議会にカメラを持ち込んだ。報道席から議会を撮影しているが、岩谷県議は開会直前に議場に滑り込んだんだとさ。もちろん報道陣を避けるためにね(笑)。
 議会終了後、議場入口で報道陣(と言ってもカメラ3台程度)が岩谷県議をキャッチした。いつもどおり同僚議員と和んでいるところに不意打ちを食らわされた。報道陣に偽造領収書のことを訊ねられ、我に返ったんでしょうね。県議は突然逃げ出した。廊下を走る走る。まさに脱兎のごとく。報道陣も負けてはいない。追っかける追っかける。県議は非常階段を飛ぶようにして降りる降りる。報道陣も続く続く。県議は非常階段から外に飛び出した。もちろん報道陣も若いだけあってぴったりと追跡している。ここで思わず大爆笑してしまった。
 昔、岡村隆史が物まねをしていた横山弁護士を覚えていないですか。「やめて〜!」「バカモ〜ン!」など迷言で一躍有名になった老弁護士である。逃げる岩谷県議を見ていて、横山弁護士に変装した岡村くんを思い出したんですね。岡村くんはギャグでやっていたが、岩谷県議は真剣なのである。その真剣さが、岡村くんのコントよりおもしろい。
 結局、御年69歳の県議は、息が続かず議会事務局棟の外で御用となる。御用じゃないか(笑)。結局、インタビューを受けることになるわけだが……。そんなことなら最初から堂々とカメラの前に立てばいいものを、往生際が悪いというか、ここは苦笑せざるをえなかった。

 もう一人、元朝日新聞ソウル特派員だった前川惠司記者である。現在はジャーナリストと名乗っておられ、下記の本を出版されている。
http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784093897518
慰安婦虚報の真実』(小学館)である。最初は購入しようと思ったんですよ、でもね、この方、「たかじんのそこまで言って委員会」にスペシャルゲストとして出たまでは良かった。ところが冒頭に本の紹介をした以外は、司会者やパネラーどころか同じスペシャルゲストからも突っ込まれてなんの反論もできないお粗末だった。こんなジャーナリスト(笑)が書いた本など読むまでもないと思ったのである。ワシャはジャーナリストを何人も知っているが、前川氏に比べるとはるかにモノのいい人ばかりである。これが朝日新聞の記者のレベルかと思うと背筋が寒くなった。

 佐高信さんが『民主主義の敵は安倍晋三』(七つ森書館)を出版した。今日の朝日新聞の一面広告に載っている。「売行好調」とあるがどうなんでしょう。1200円という定価からみても――そういう問題ではないと思うが――中身はスカスカなんでしょうね。こっちのほうは小説のほうがだんぜんおもしろい。