不幸の手紙

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140820-00000011-flix-ent
ニュースの全文はこうだ。
《動画内で浜崎は、流ちょうな英語で「ALSアイス・バケツ・チャレンジに挑戦します」と宣言。すると後ろで待ち構えていた男性からバケツいっぱいの水を頭からかけられ、「キャー!」と悲鳴を上げながら走り回っている。この“アイス・バケツ・チャレンジ”とは、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と呼ばれる難病の認知度を高めるために行われているチャリティー活動。挑戦に指名された者は24時間以内に氷水をかぶるか、100ドル寄付するかを選択するという仕組みで、近ごろ海外セレブたちを中心に大流行。映画スターからスポーツ選手まで数多くの有名人たちが参加している。 さらに挑戦を受けた者は次なる挑戦者3人を指名することになっており、浜崎はEXILE HIRO、AAAの浦田直也ダルビッシュ有を指名。彼らがこの挑戦を受けるのかどうかも気になるところだ》
 要するに「ALSアイス・バケツ・チャレンジ」なるものが存在し、浜崎あゆみが指名された。100ドルを払うか、バケツいっぱいの水を頭からかぶるかのどちらかの選択を迫られる。もちろんやらないという選択もあるのだが、「難病の認知度を高めるため」と言われてしまうと断りにくい。さらに有名芸能人やスポーツ選手だと「こんなユーモアも解せないのか」と言われてしまうこともネックになって、ついついチェーンメールの拡散に手を貸してしまうことになる。
「善行」をネタにしているが、これって体のいい「不幸の手紙」ではないのだろうか。喜々として氷水をかぶっている芸能人が哀れに見える。

 今日はガダルカナル島の惨敗の日である。圧倒的に優勢なアメリカ軍に対して、それこそ体一つで突っ込んでいき、3万1400ほどの兵員の内、死者は2万800人、その中で餓死者が1万5000人も出たというから尋常な戦いではなかった。ここでも現場の兵士はがんばった。しかし、その戦略を考えるべき大本営が腐っていた。本来、大本営をつくっていくのはエリートであるべきだった。たしかに偏差値ということで言うなら、当時の軍人の上澄みは大日本帝国でもっとも偏差値の高い集団だったろう。
 このことを憲政史研究者の倉山満さんはこう言い切る。
「エリートは偏差値の高い人ではない。万国共通のエリートの定義は『本人の命より責任が重い』人のことを言う」と。
 仰るとおりで、この当時大本営にいた瀬島龍三などは、頭はよかったけれど「責任を取る」ということに関してはネジが何本も抜けているような人物で、終戦後ものうのうと何の責任も取ることなく生き延びて、言い訳ばかりをしていた。こんなのが棲んでいた大本営からの命令書など不幸の手紙より不幸だった。