たばかられたりー!

 NHKの大河ドラマ軍師官兵衛」が前半のクライマックスを迎えている。
 片岡鶴太郎が演じる御着(ごちゃく)城主小寺政職(まさもと)が、家臣の黒田官兵衛を敵に売った。朋友の荒木村重が織田から毛利に寝返ったのを見て、優柔不断な政職も毛利側に鞍替えしようと考えた。ところが織田派の筆頭である官兵衛が目の上のタンコブである。なんとか官兵衛を排除しようと、政職は一計をめぐらす。己は官兵衛に手を下すような度胸はない。それならば、村重に手を貸してもらおうと決めた。謀略はこうだ。
「村重は毛利方に走ろうとしている。官兵衛が村重を翻意させれば、わし(政職)も織田方に残る。だから、村重の居城(有岡城)まで行って説得をしてきてくれ」
ということである。しかし、すでに村重とは「毛利へ寝返り」で話ができていて、のこのこと出かける織田派の官兵衛を「殺す」手筈が整っていた。
 官兵衛と懇意の村重は、さすがに官兵衛を殺すことはしなかったが、毛利への寝返りを納得しない官兵衛を有岡城の地下牢に幽閉するのである。それから一年、劣悪な環境と村重のむらっけでいつ何時命を落とすかわからぬ状況に置か続ける。
 おそらくワシャのような柔弱な人間では三日とはもつまい。官兵衛の精神力の剛健さはいかばかりであろうか。

 評論家たちはごちゃごちゃ言っているが「軍師官兵衛」はおもしろい。地獄の幽閉を経て、これから正直者で真っすぐな官兵衛がどう変貌していくのか楽しみである。牢獄で青春を終えた官兵衛、これから朱夏を迎える。三木城攻め、鳥取城攻め、四国征伐高松城攻め、山崎の合戦、賤ヶ岳の戦い、和泉岸和田の戦い……まだまだありまっせ、小田原の役、朝鮮出兵関ケ原とどでかいのも終盤に待っている。とにかく官兵衛の一生は戦いにつぐ戦いの日々だった。まさに大車輪の活躍と言っていい。これだけのネタがあっておもしろくないわけがないでしょ。

 黒田官兵衛のことはひとまずおいておく。今日のタイトルは「黒田かむべい」に「たばかられた」という話である。ううむ、「黒田かむべい」にたばかられたというのは少し違う。「黒田かむべい」を売っていたスーパーにやられたという話ですな。
 昨日のことだから、「軍師官兵衛」を見た翌日ということになる。ちょいと所用で豊田市に出かけた。そこで昼になったので、昼食を買うためにスーパーに立ち寄った。コンビニにしておけばよかったんですよ。でもね、ついでに夏物衣類や本も物色したかったのでついつい大型スーパーに迷い込んでしまった。
 そこで姫路名物「黒田かむべい」を見つけた。これです。
http://item.rakuten.co.jp/tairiku-cake/kanbe-001-001/
 大型スーパーの「各地の名産品」のところに積み上げてあって、その台には「黒田かむべい」の横に200円くらいの値札が貼ってあった。直径22センチくらいの大判の醤油せんべいである。「200円なら安いな」と思ってカゴに入れた。ところがどっこい、レジに行くと「540円也」と打たれてしまった。「えええ!」てなもんですわ。レジで打たれちゃったので仕方がない。支払いは文句も言わずに済ませましたぞ。でもね、どうにも腑に落ちないので、もう一度「各地の名産品」のコーナーに行って確認をした。
 確かに「500円」の値札はあった。しかし、それはとても見づらい位置に貼ってあった。そして商品には一切の値表示はないのである。見やすいところの別の商品の値札を勘違いしたワシャがアホなのだが、ううむ、たばかられたような気がする。