小さないいこと

 昨日は、久しぶりにブックオフ巡りに出かけたのじゃ。西三河の店舗をことごとく制覇してきた。古本屋を営むわけではないけれど、掘り出し物を探すドライブはいと楽し。昨日の一番の成果は、岡崎市の店舗で『江戸切絵図と東京名所絵』(小学館)を手に入れたことかなぁ。定価が12000円、古書市場では4000円くらいが相場かなぁ。それを激安で手に入れましたぞ(笑)。他にも『原色日本の美術』(小学館)を何冊か、これはB4大判の本なので運ぶのにけっこう手間がかかった。でもね、例えば19巻が「陶芸」なんだけど、重要文化財の「備前火襷水指」がでかでかと載っている。胴の石爆ぜなどもしっかりと見える。これだけでかい写真はありがたい。その他にも新書を何冊か、岩波文庫もおもしろそうなのが何冊かあったのでまとめ買いをしておく。曽野綾子の単行本も揃っていたのでど〜んと買ってしまった。その他、神谷美恵子井上ひさし向田邦子などなどを購入する。
 精神科医神谷美恵子の著作『生きがいについて』(みすず書房)は、半世紀が過ぎようとしているが、色褪せない名作であるという。今まで手に取ったことすらなかったので、今回、入手したことを奇貨として読んでみることにしよう。
 午後2時ごろ、この本を豊田のブックオフで何気なく手にした。その店は西に窓が開いていて、その窓から見える秋の空がすこし茜がかっている。もうこの時分から夕焼けが始まるのか……。本だった。ワシャは手に持った『生きがいについて』をパラパラと繰った。線引きや汚損があると嫌なので確認のためにである。
そうするとね、ページの間から何かがハラハラと落ちた。あわてて拾い上げると、それは紅いカエデの葉っぱだった。あらま。他にも3枚、紅いカエデと黄のかかった茶色のクヌギの葉が挿んである。なんだか本からも秋を感じて得をした気分になった。もちろんカゴにいれましたがな。
 昨日、購入した冊数については、企業秘密なので言えない(笑)。ただ後部シートはほぼ満タンだった。

 帰路、家の近くの酒屋によって、いつもの「白波」を買う。ついでに楽天優勝の祝杯用に東北の酒を1本入手した。宮城県の蔵元「一ノ蔵」の「一ノ蔵無鑑査」という酒だ。これが商標である。かつて日本酒に級別の監査制度があった時に、この蔵元が「無鑑査」を売りにして販売した酒である。これがきっかけとなって級別制度廃止になったというパイオニアのような酒ですぞ。これは「楽天優勝、マー君おめでとう」にはピッタリの酒だわさ。そう思って買ってきた。

 夜、もちろん一杯やる。そんなにがぶがぶとはやりませんぞ。宮城に想いを馳せながら、小さなお猪口で二杯三杯……う〜む、辛口でいい。ワシャにはきりっと合う。
 楽天優勝、掘り出し物ゲット、本の間から紅葉、久々にうれしい酒になった。