買い出し

 日曜日、小雨の降る生憎の天気だったが、車で名古屋市熱田区に出掛けた。先週、職場でごたごたが続いてストレスが溜まっていたんでしょうな。こんなときは手当たり次第に本を買うに限る。しかし、新刊書店に行くと大変なことになる。あっという間に財布がすっからかんになってしまう。だから、そんな時は古書店にしている。そんなわけで「BOOK・OFF熱田国道1号店」通称「スーパーブックオフ」を徘徊した。
 いやー久しぶりだったので、掘り出し物がありましたぞ。ワシャは船が好きで、とくに軍艦、駆逐艦が好きなんですが、船マニアの雑誌「世界の艦船」がごっそりとあるではあ〜りませんかん。「ヤッホー!」と叫んで、買い物カゴに詰め込む詰め込む……笑いが止まりまへんで。
 およよ、岩波文庫もずらりと整列しているではないか。
 マルクス エンゲルスドイツ・イデオロギー』、エンゲルス『空想より科学へ』、ショウペンハウエル『自殺について』、スタンダール恋愛論』、ヘーゲル『哲学入門』、アイキュロス『アガメムノーン』、デカルト方法序説』……いただきいただき。
 あ、山手樹一郎の短編集が何冊かある。昭和54年の初版だ。確か谷沢永一さんが短編の名手として山手さんを挙げていた。買っておこう。

 この店はきれいなトイレも完備しているので居心地がよく、結局、3時間ほど物色して、買い物カゴ3つに山盛りとなってしまった。ヒーコラ言いながらレジカウンターに持ち込むと、若い女の店員が、ワシャを沢尻エリカのような目で睨んで「業者の方はカゴ一つまででお願いしています」と言うのである。
「どこにそんな根拠があるのだ」と反論すると、女店員はカウンター横のパネルを指差した。確かにそこにはそう書いてある。仕方がないのでワシャは、「ワシャが業者ではなく単に物好きなオッサン」であることをくどくどと説明しなければならなかったのじゃ。
 それで女店員は納得してくれたようで、ワシャは黄色いレジ袋6袋を下げて意気揚揚と店を出たのである。
 因みに買った冊数、金額は秘密にしておく。めでたしめでたし。