その小ささを知る

「異常気象」を「極端な気象現象」と言い換えて《「個々の異常気象の原因を、地球温暖化と結びつけることはできない」と科学者は言う。だが、温暖化が進めば、極端な気象現象が増えることは、科学が警告し続けてきた。》と朝日新聞の環境屋は言う。
 でもね、季節は見事なまでに「暑さ寒さも彼岸まで」を見せてくれた。今朝、新聞を取りに庭に出ると、少し寒いくらいである。この慣用句、いつごろからあるのだろう。今、『日本国語大辞典』をはじめ、いろいろな文献を漁ってみたのだが、明確な出典は見つからなかった。少なくとも江戸時代までは遡れるとは思うのだが……。
 何を言いたいのかというと、「気象現象が異常だ」とか「気象現象が極端に変化した」だとか喧伝する連中に、「でも、季節の移り変わりは穏やかですよね」と穏やかに言いたいのである。

 きちんと季節の変化を見せてくれる気象にケチをつける前に、こちらのほうに注目をするべきだろう。
《浜岡再稼働 年度内申請へ》
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130925-00000101-mai-bus_all
中部電力は25日、運転停止中の浜岡原発静岡県御前崎市)3〜5号機の再稼働に向け、最初に4号機の安全審査を年度内のできるだけ早い時期に原子力規制委員会に申請する方針を明らかにした。》
 ワシャは2つの点から「浜岡原発の再稼働」に反対をしたい。
 まず、その1。菅直人浜岡原子力発電所を停止した平成23年5月6日以来、中部電力管内は浜岡なしで電気を賄ってきた。それで停電が起きたかといえば、そんなことは一度もなかったし、東海地方の企業は原子力以外の電気を使ってますます元気に製造を続けている。福島第一で目途もつかない状況で、原子力発電を再開するのか。
 その2。国は南海トラフ巨大地震を煽っている。おそらく南海トラフ地震は間違いなく近々に発生するだろう。ただし「近々」と言ったのは、人間の生活サイクルではなく、地質学的な時間での「近々」という意味でである。まぁいいや。とにかく南海トラフ地震は起きる。その一番危険な場所に浜岡原子力発電所は立地しているということを忘れてはいけない。南海トラフ地震が発生すれば、津波が起きる。これは間違いない。津波が発生すれば、かなりの短時間で浜岡に到達する。これも間違いない。
 浜岡原発津波防波堤を見たか。陸側から見れば、人間のサイズに比較すれば、万里の長城のような鉄壁の防波堤が原発を守っているように見える。しかし、人間サイズではなく自然サイズで見てみれば、これほど貧弱な防波堤はないと思っている。空から見ればよろしい。Googleマップかなんかで見てくだされ。浜岡原発の南側にどれほどの海が広がっているか。日本列島が確認できるくらいまで高度を上げるとその莫大な水量がご理解いただけると思う。その時に浜岡の防波堤が確認できるだろうか。無理でしょ(笑)。
 笑い事ではない。自然とはかくも巨大で偉大なものなのである。わずかな科学的知識を得たくらいの猿に克服できるものではない。つまり制御できないものには手を出さず、自然を畏れ、謙虚に生きていけばいいのだ。
 そういった意味から、浜岡再稼働に反対する。