原子力発電の黄昏 その1

 午後8時
 地震被害、津波被害は人智を軽く超えてしまった。どこまで被害が拡大するのかわからない。

 その中でも今後の対応次第ではとんでもないことになりそうなのが、福島原発である。
 電気事業連合会が、シンクタンクの美人副理事長を起用して、「文藝春秋」などでしきりに原子力発電の有用性、安全性を説いている。しかし、百万の伝聞より、1回の現実、今回の地震で、原発の危険さが暴露されてしまった。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/fukushima_nuclear_plant/?1299970512
 そもそも日本列島は地震の巣の上にある。地面はたえず揺れていると考えた方がいい。日本の原子力発電の技術は世界のトップレベルであり、その安全性も世界に誇っていいものだと思っている。しかし、それは平常時という前提があってのことで、大地震のような非常時での話ではない。
 コラムニストの勝谷誠彦さんは、今回の原発事故は滅多にない地殻変動に起因するもので、このことを以って「だから原発はなくそう」と攻勢をかけてくる左巻きや妄想的平和主義者の口車に乗ってはいけない、と警告する。
 もちろんワシャはサヨクではない。皆さん、知ってますよね。でも、こと地震に関わることとなるとこれは慎重にならざるを得ない。
 例えば、今回の地震が滅多にない地殻変動だろうか。つい4年前の話である。2007年に立て続けに起きた能登半島地震中越沖地震ともに原子力発電所がらみのトラブルに見舞われたことを覚えておられるだろう。そして、今回の事故である。地震が起きるたびに原子力発電所が危機に陥っている、そう思いませんか。
 日本で最も大地震の発生が懸念される東海地方、いつ起きてもおかしくないと言われ続けて40年が経過してしまった。
 笑い事ではない。40年起きなかったということはそれだけ、危険性が高まっているということで、プレートの応力は40年前に比較できないほど大きなものになっている。
 たまりにたまったエネルギーを抱えた東海地震の直撃を受ける静岡県御前崎には福島第1、第2と同じ型の原子炉を抱えた浜岡原発が丸裸で立ち尽くしている。
(下に続く)