祝!東京オリンピックなど

 昨日の早朝のことである。テレビやネットでは、2020年の「東京オリンピック開催」が決定したニュースで埋め尽くされた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130908-00000013-mai-spo
 にも関わらず、朝刊の見出しは「五輪招致へ情熱競う」である。明らかに遅い。そりゃぁ取材をして記事をまとめ、校閲して印刷にかけ、そして各戸配布するわけだから、大変な手間がかかっているのは分かる。分かるけれど、新聞というメディアの限界が見えてきたような気がするなぁ。
 そして今朝である。新聞は一斉に休刊だ。もっとも景気のいい「東京オリンピック」についてのビッグニュースがあるにも関わらず協定だかなんだかは知らないが、新聞各社は横並びで沈黙を守る。
 コラムニストの勝谷誠彦さんのほうが痛烈なので引かさせてもらう。6日のメルマガである。
《いよいよ8日の日曜日に2020年のオリンピックが東京へやって来るかどうかが決まる。日本時間で未明の決定なので、朝刊には間に合わない。日曜日だから夕刊はない。いやあ、月曜日の朝刊各紙には当落どちらにしても大きな見出しが踊るだろうな…とあなたや、あなたも、考えますよね。
 ぎゃははははは。なんと9日の月曜日は、利権談合新聞各社におかれては、仲良く相談したあげく「新聞休刊日」なのだ!》
 ブエノスアイレスでの手に汗にぎる丁々発止は、あらかた語り尽くされた。あとは各社論説委員の間延びした社説を待つばかりなりけり。

 昨日、隣町にウルトラマンを見に行った。
http://www.takahama-kawara-museum.com/exhibition/detail.php?id=305
 愛知県高浜市というところである。人口は45000人ほどの小さな町である。それがバブルの末期に地場産業である瓦の美術館を建てようということになって、灰神楽を立てるようにバタバタと建設してしまった。
 ワシャの住んでいるところから近いので、オープン以降、何度か足を運んだが、瓦というものは、なかなか見ごたえがないんですね。天平時代の瓦、平安時代の瓦、おおお、これが鎌倉時代の瓦か……って、瓦屋でもないかぎりあんまり興奮しませんわなぁ。常設展のほうは一回見れば数年はいいような感じ。企画展のほうも、当初は「瓦」に拘って、むりやり展示会をしていたようだけれど、それもなかなか続くものではない。やはり所詮が「瓦」なのである。集客力があまりにもなさすぎる。まだ潤沢に予算があった1990年代に地元の有力者に押し切られたのだろう。ゴテゴテした外観も含めてバブルの遺物ということやね。
 そこで「ウルトラマン創世記展」を開催していた。もちろんウルトラマンと瓦はなんの関係もない。ウルトラマンに「カワラマン」という弟がいたという話も寡聞にして知らない(笑)。
 それでも、ワシャ的にはおもしろかった。展示室まえのロビーには実物大のカネゴンが待っていたし、展示室の入り口には同じサイズのペギラがいた。ペギラって知っていますか。「ウルトラQ」に出てきた冷凍怪獣なんですよ。ペンギンの突然変異で、身長は40mもあるのである。突然変異でも変異し過ぎという感じだが、それでも白黒の画面に見入って怖がっていたことを思い出した。その他にもゴモラの頭だけとか、なんの怪獣か判然としたないウロコの切れ端だとか、壊れたヨーヨーのヨーなカラータイマーとか、とてもマニアでなければ楽しめないようなものが雑然と並んでいる。ワシャは辛うじて、「ウルトラQ」、「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」を見ていたので、ウルトラマンの左足の靴だけでも前半部分の展示は楽しかったですぞ。
 ただ、後半の「帰ってきたウルトラマン」、「ウルトラマンA」、「ウルトラマンタロウ」、「ウルトラマンレオ」になると、そもそも見ていないのでまったく解からない。時代が下れば下るほど、怪獣のデザインもゴテゴテと異物をくっつけるだけの安易なものに成り下がった。怪獣が破壊する街も、予算の関係なのだろう、ウルトラマン時代の丁寧な造りは消え失せ、段ボールにちょいちょいと化粧をしただけのいかにも箱を並べたようなお粗末な街だった。シナリオからもドラマが消え、まさに子供だましの特撮になっていた。作品がクオリティーを失ってから円谷プロダクションも傾きだした。当然と言えば当然のことなのだろう。
 それでも売店には、ウルトラマングッズがふんだんに売っていた。それを見て回るだけでも来た甲斐があった。ハヤタ隊員が所属した科学特捜隊の胸に輝く流星バッチがあったのでさっそく購入したのだった。
 これでフジアキコ隊員に連絡できるのじゃ。しめしめ。