一天にわかに掻き曇り

 このところずっと社屋2階の会議室にこもっての打ち合わせが続く。その会議室の窓辺には、樹高のあるクスノキが枝を寛げている。この樹がうまい具合にブラインドになって日の陰をつくる。ときおり会議に飽くと、枝越しに見える青空を見上げて息抜きをしている。
 昨日の午後のことである。さっきまでの青天が白くなった。その後、少し暗くなったと思ったら、雨が降り出して、それがどしゃ降りに変った。南天はそれほどでもなかったが、東の空は黒雲におおわれている。この上には、巨大な積乱雲がのっているのだろう。
 午後5時をまわって、雨も小降りになり、午後7時過ぎには止んでしまった。このところ梅雨だというのにカラカラのお天気で、乾いた大地には恵みの雨となったが、水源を潤すにはまったく足らない。

 朝日新聞のようにケチらず全文を掲載してくれる毎日新聞がありがたい。
http://mainichi.jp/select/news/20130608k0000m040104000c.html
 経営再建中の名古屋御園座が、愛知県と名古屋市に支援を要請していた。でもね、大村、河村両首長は「税金投入は困難」として支援を断ったんだとさ。
 大愛知と大名古屋、合わせて4億円である。両自治体の行政規模から言えば、さしたる金額ではない。なぜこの程度の支援ができないのだろう。凸凹コンビが、文化に疎いのは知っているけれど、それにしてもケチ臭い。東海地区唯一の本格的な歌舞伎を掛けられる座を失ってもいいのだろうか。
 御園座にしてみれば、晴天の霹靂というほどのことではないにしても、資金繰りが厳しくなるのは間違いない。ワシャが大金持ちならばポンと資金を出したいところだ。気持ちはあっても、ご案内のとおり、年中ピーピー言っているスッカンピンの空財布、歌舞伎文化のお役に立てないのが、嗚呼、情けない。

 ところがあるところにはあるもので、今朝の朝日新聞の地方版に、詐欺被害に遭った女性のニュースが載っている。「500万円でロト6の当選番号を教える」という手口で、合計1000万円を「ゆうパック」で送ったんだとさ。もしもワシャがこの詐欺に引っ掛かったとしても、残念ながらポンと1000万円は出てこない。あるところにはあるものだなぁ。
 それにしても「ロト6」の当選番号が判るわけはなかろう。そんな間抜けな手口に引っ掛かるほうも、リテラシーがなさすぎる。警察は「現金をゆうパックや宅配便で送らせるのは詐欺グループの手口。絶対に送らないで」と呼びかけているようだが、その前に「もう少し自分の頭で考えようね」と言ったほうがいいと思う。
 
 書庫の西の窓から見上げる空は今日も碧い。梅雨はどこに行ってしまったのだろうか。