発見

 地球と同サイズ、そして恒星からの距離も適度な惑星が3つ見つかった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130419-00000048-jij-sctch
《二つは地球から1200光年のこと座にあるケプラー62eと62f。62eは地球の1.6倍、62fは1.4倍の大きさで、恒星との距離が適度に離れており、液体の水を適度に維持できる「ハビタブルゾーン」にある。》
 この2つはかなり生命の存在が期待できる。3つ目のケプラー69cは距離がやや恒星に近い。地表の温度が高くなると生命が育まれる可能性は低くなる。あるいは69cはダメかもしれない。
 でも、62f、62eは水の存在が期待できる。惑星が生命を誕生させる必須条件は、なんといっても液体の水があることである。この液体の水が存在しうる主星からの距離の範囲を「ハビタブルゾーン」という。
 SFの世界では、宇宙は生命にあふれている。「スターウオーズ」でもあちこちに生命を育む星があって、そこでジェダイの騎士たちが活躍する。しかし、現実はそんなに甘くない。「バビタブルゾーン」から少しでも外れれば、生命の存在は困難となる。
 地球の姉妹星と言われる金星は、少しだけこのゾーンを内側に外れている。このために膨大な量による二酸化炭素により生じる温室効果で、地表温度は400℃を超える。これでは水は存在しえない。
 地球の外を回る火星は「ハビタブルゾーン」の中にある。探査も進んではいるが、未だに生命の発見には至っていないのが現実である。だからE・R・バローズの描いた生命に満ちあふれた火星、金星は絵空事でしかない。ことほど左様に生命の存在は難しいのである。

 もしかしたら地球というのは宇宙の孤児ではないのか。そんな思いが「地球と同じ環境の星を探そう」という行動に駆り立てるのは当然の帰結であったろう。それがケプラーミッションである。
 半年ほど前の資料であるが、天文衛星のケプラーは銀河系内で2321個の惑星らしきものを発見した。ただし、それらのほとんどが木星型のガス惑星であったり、質量が1000〜10000倍という重い星であり、生命を存在させる要素はまったくない。木星型に比べれば、金星は地球とほとんど同じ座標に位置している。にも関わらず環境は生命を拒絶する過酷なものである。硫酸の雨が降る灼熱地獄なのだ。やはり地球環境に類似した星は、やはり簡単には見つからなかった。
 でもね、ケプラーは頑張った。こと座にあるケプラー62eと62fをついに発見したのだ。「バビタブルゾーン」にあって、大きさも地球と大きな差はない。ことによったら1200光年のかなたに地球外生命を確認できるのかもしれない。ただ、1200光年という距離は宇宙ではごく短い距離なのかもしれないけれど、地球人のスケールからいくと、想像をはるかに超えた久遠の距離なのである。残念ながら人類の叡智を結集しても現時点で(将来的にも)どうにかなるというレベルの話ではない。
 だが、こういったスケールの話題は、人間社会のちまちました憂さを晴らすには、いいのかもしれない。1200光年先に文明をもった生命体がいるなんて、ロマンティックではありませんか。

 もう一つ大発見があった。
 池波正太郎の自宅を改装中に、書棚の後に隠れていた戸棚が発見され、そこに手紙の束が入っていたそうだ。親友の司馬遼太郎子母沢寛淀川長治中村富十郎などの手紙もあったという。
 う〜む、ワシャ的には、ケプラー62e以上の発見と言っていい。22日に発売される「オール読物」に一部が掲載されるらしいから、早速、買いに行こうっと。