観劇に駅弁に感激

 先日、御園座に行ったことはすでに書いた。その折の昼食のことである。御園座には地下1階の食堂街、2階にも食堂・喫茶があって、大方の人はそこで食事をとる。だが、やや値段が高い。それに味ももう一つだと思う。それでも昔は食堂で2500円のセットを食べていたが、いつの頃からか、駅弁を名古屋駅で買って、御園座に行くようになった。これがけっこうイケる。名古屋駅の駅弁コーナーにはそれこそ何十種類という弁当がならぶ。この中から、その日の食べたいものを選べばいいのである。うなぎの櫃まぶしもあれば味噌カツも海老フリャーもある。山菜弁当もあるし天むす弁当、幕の内から洋風弁当まで多種多様な品ぞろえとなっている。
 その日はね、期間限定のお弁当「飛騨路の旅」と「特選名古屋」を選んだ。
 どうでもいいと思うけれど(笑)、「飛騨路の旅」の中身を見てみよう。
 小ぶりなおむすび4つ(めしどろぼう漬け・飛騨牛うま煮・煮たくもじ・味噌焼き)、 鮎の甘露煮、煮物(ジャガイモ、大根、こんにゃく、シイタケ、ニンジン、南瓜)、舞茸のてんぷら、玉子焼き、塩ぶり、赤巻かまぼこ、胡麻豆腐、クルミの甘露煮
http://www.jr-cp.co.jp/products/details.php?p_no=427&area=02
 これで1050円である。食材がバラエティーに富み、なかなか美味しそうでしょ。飛騨の郷土料理がテーマになっている。
 もう一方の「特選名古屋」のラインナップはこれだ。
 ひつまぶし、味噌カツ、天むす2つ(お雛様バージョン、海老天、鶏飯)、玉子焼き、塩鮭、竹輪、煮物(サトイモ、こんにゃく、シイタケ、ゴボウ、ニンジン)
http://www.jr-cp.co.jp/products/details.php?p_no=254
 こっちはなかなかボリュームがあって、見た目も楽しくいろいろな味覚が楽しめた。これも1050円。

 御園座としては、「当座ではごみの分別とリサイクルの促進に取り組んでおりますので、お弁当などの飲食物のお持ち込みをご遠慮いただいております。地下1階食堂街や2階食堂・喫茶にてお食事・軽食などをご用意しておりますのでご利用ください。」とアナウンスをしているが、ワシャらのように軽食を持ち込んで軽くすませる観客も多い。今のところ黙認してくれているし、そのためのコーナーも用意してくれている(机は撤去されたけどね)。
 でもね、歌舞伎座新橋演舞場などは、観客席での飲食を認めている。席でおにぎりをほおばったり、サンドイッチを口に運ぶ人がたくさんいた。
 もともと歌舞伎というのは、庶民の芸能だった。昔は、劇場内で秋刀魚を焼いた客もいたそうだ。そういった大らかさが庶民の人気が歌舞伎を支えてきたといっても過言ではない。食堂で高いメニューを出すばかりでなく、観客に気楽に楽しんでもらうことのほうが、大切な気がする。そのほうが経営再建につながるのではないだろうか。ぜひ、新御園座には検討してもらいたいものだ。
 
 さて、来週も御園座に行くけれど、今度はどんな駅弁にしようかなぁ。