秋の夜長にチビチビと

 今日は天気がよかった。
 本当なら上京していたはずなのだが、連休の3日ともに仕事が入っていて、楽しい楽しい浅草界隈の散策は断念せざるを得なかった。残念。
 それでも今日の仕事は朝一番で早々に片付いたので、早速、昼前から車で出かけましたぞ。目的は、名古屋東部のブックオフを数件巡ること。
 いやー、大漁でしたぞ。名古屋平針店では、美術展の図録が105円で大量に出ていた。通常はこの値段で店頭には並ばない。しかし、例えば、名古屋ボストン美術館の図録『ヨーロッパ肖像画とまなざし』が105円。この図録には領収書が挟んであって、買った人も値段も判ってしまった。勝った人はともかく値段は1800円也。「日本の古本屋」で検索をしてみたが、1500円〜1800円だったので「買い」で正解だ。その他にも分厚い図録がみんな105円だったので手当たり次第にカゴに入れる。だって、20冊買ったって、美術館で1冊の図録を買うのと同じ値段でっせ(大笑い)。
 上村松園ルノアールなど有名どころが並んでいたのでいただきいただき。三河の店舗だと、この手の図録は500円とか700円するのだが……名古屋は文化レベルが高いのでこういった図録がダブついているのかもしれない。あるいは単にアルバイト君が、値段のついていない図録をパンフレットと同様に扱って105円のシールを貼ってしまったのかな。図録というのはかなりの大部なものでも値段の記載がないからね。
 その他に、歌舞伎関連の本を数冊、吉川弘文館の「歴史文化ライブラリーシリーズ」が105円で出ていたのでこれもゲットゲットゲット!岩波文庫も手当たり次第にカゴに放り込む。
 名古屋滝ノ水店を皮切りに、名古屋平針、名古屋高針、東郷町和合店、豊明店と回りましたぞ。助手席も後部シートも本で埋まってしまった。ワシャはこの本をどうしようというのだろう。

 現在、玄関に積まれている本をどこに置こうかということを考えるととても悩ましいので、本の話はこれくらいにしておく。

 久しぶりに名古屋の東丘陵地を走りまわったが、学生時代に過ごしたということもあるのだが、街路樹がいい具合に育って、いい街並みを見せている。街ができて30〜40年、マンションが立ち並び、沿道には大手の外食チェーン店などが展開しているところは三河と大した差はない。でもね、街路樹が枝を大きく広げて歩道に木陰をつくっている様子はいい。葉はモミジガサに似ているが、ワシャの浅薄な知識では何の樹なのか特定できなかった。まぁ楓の少し大振りの樹木が幹線道路や区画道路ぞいに植えられて、秋の風に揺れていたということである。
 それに比べて、三河部の田舎町(恥ずかしくて名前が言えない)では中心市街地の街路樹を9月には丸裸にしてしまう。いわゆる強剪定をして、枝や葉を全部切り落としてしまうのだ。だから道路沿いには切り出した丸太のようなナンキンハゼやポプラが電柱よろしく突っ立っているのみである。木陰などない。葉のささやく声も聞こえない。こんな死んだ風景がいいのか(怒)。
 要するに葉が落ちるとその清掃をするのが面倒だ、ということなのだろう。「落ち葉が汚い」などとつまらない市民が苦情を言ってくるので、逃げを打つために強剪定を施すわけだ。
 町がこういうつまらぬことをするのかと思うでしょ。違うんですよ。道を特定すると県道ばかりだった。棒杭のような街路樹が立っているのはみんな愛知県の道なのである。
 つまりつまらぬことをしているのは愛知県ということだ。いいかげんにしろよ。

 口直しにお酒の話。
 元出雲市長、元民主党衆議院議員だった岩国哲人氏がこんなことを言っている。
「酒は、感情の波長を合わせてくれる」
「酒は、平素は意識している身分や地位の差を薄めてくれる効果もある」
「勘定の波長が合い、人なみに話をきいてもらえると、言葉にならない表情や動作までが、いきいきと情報を発進しだす」
 左党は、こういう一言にすがって、また一杯やる口実にするんですね。さて、午後7時を過ぎたのでそろそろ一杯やることにしよう。