通常の組織では有りえない

 野田第3次改造内閣は発足した。19人の閣僚の内10人が新メンバーである。大刷新と言っていい。

総務大臣:党幹事長代行から樽床氏
法務大臣:経済産業委員長から田中慶秋
財務大臣:党国会対策委員長から城島光力
文科大臣:外務委員長から田中真紀子
厚労大臣:政調会長代理から三井辨雄
環境大臣官房副長官から長浜博行
国家公安:議運委員長から小平忠正
金融大臣:復興副大臣から中塚一宏
国家戦略:前原誠司
郵政大臣下地幹郎

 もちろん政治家はオールラウンドでなければいけない。しかし、全知全能というわけにもいかないのが現実だ。だからやはり自分の得意な分野をいくつか持つことになる。例えば自民党石破茂さんなら、防衛、外交、農水などである。こういった得意な分野をしっかりと勉強し、そこに配置してこそ人材は生きてくるだろう。
 そう思って、この改造内閣を見ると、いやはやなんともすごい布陣だ。法務大臣の田中氏って法務に携わったことがあるのだろうか。県会議員からの叩き上げなので、おそ らく法律のことなど素人だろう。
 そもそもサニークリニック事件という詐欺事件で名前が挙がっているような埃っぽい人物が法務大臣でいいのか、という問題もあるのだけれど。
 テレビに事務所で首相秘書官からの電話を待つ田中氏が映っていた。女性秘書にネクタイを決めてもらっている田中氏は、うれしくてしかたがないといった風情である。この人、確実に大臣病に冒されていると思う。
 もう一人の田中氏、あの真紀子さんだ。久々にご尊顔を拝したが、歳を取りましたなぁ。元気だった真紀子さんも、もうすぐ70歳、それも畑違いの文部科学省である。この人に限って言えば、喜んでいるというより戸惑っているようだった。
 国家公安委員長小平忠正氏っていったい誰やねん?というのが率直なところだろう。しかし、ワシャは知っている。この人、1999年の国旗国歌法の制定に反対した左巻きの一人なのである。岡崎トミ子といい、どうして民主党左傾化の強い人物を国家公安委員長という重責につけるのだろう。もちろん日教組の親玉である輿石幹事長の意向であることは間違いないんだけどね。

 言いたいことは山ほどあるんだけど、要するに残り一年という任期で、大臣をすげかえても仕事などなにもできないということである。例えば一般の会社でも役場でもいいわさ。自分の職場に置き換えて考えてみればいい。規模の多寡はあっても、本部長がずぶの素人になってご覧なさいよ。仕事になりますか。半年はレクチャーだけでいっぱいいっぱいでしょう。素人の下に、その部門で叩き上げてきた事務方が手ぐすねを引いて待っているのだ。それも大勢。そんな状況で政治判断ができますか。
 間違いなく新任の大臣は、官僚どもの操り人形にならざるをえず、神輿としてしか働けませんわなぁ。
 いやいや、選挙区にもどって「大臣就任祝賀会」のはしごをやっていくうちに解散総選挙となるから、何もしなくていいのかもしれない。日本は平和な国だ(泣)。