大山鳴動して……

東日本大震災で発生した大量のがれきをどうするのか」という問題で、放射能汚染されていない宮城、岩手のものなら、日本全国で受け入れる姿勢が重要だと思っている。
http://d.hatena.ne.jp/warusyawa/20120315
 3月15日にも「受け入れ反対」を主張する連中に怒っている。こういうことはお互い様なのだ。その気持ちは現在も変わっていない。
 しかし、岩手、宮城の地元や、輸送コストがかからない近県処理ができるならば、話は別である。効率的な方法が確立されれば、それに越したことはない。
 今朝の朝日新聞にはこうある。
《岩手、宮城両県の不燃物のうち、受け入れ先が決まっていないのは宮城県の約43万トン。しかし、宮城県はこれについてもできるだけ県内での再生利用や近県での処理を目指すことを決めたため、愛知県の受け入れは不要となる。》
 こちらは日経。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFD2201K_S2A820C1CN8000/
 震災がれきの広域処理については、早い段階から目途がついていた。ワシャのような一般人ですら、被災地のがれきの状況についてこの程度の情報は得ている。
http://d.hatena.ne.jp/warusyawa/20120602/1338585396
 6月2日の段階で、《まず、瓦礫についてである。瓦礫について言えば、建物の残骸は、すでに10%ほどの処理が済み、その後の処分も県内でほぼ目途が立っているという。ただ、問題なのは瓦礫に混じっている土砂なのだそうな。もちろん建物瓦礫に付着したものもあれば、混在したものもある。瓦礫よりも土砂のほうが多く、この処理が厄介らしい。津波に撹拌された土砂には何が含まれているのかがまったくわからない。もちろん放射能ということではなく、PCB、水銀、鉛などの有害なものという意味である。こういった物質の混入の可能性があるので、土砂処分は、成分分析から始めなくてはならない。だから、処理が進まないということだった。どこぞの知事がパフォーマンスでぶち上げている「瓦礫処理」は被災現場から言わせてもらえば、的外れもいいとこらしい。》
 こういう状況であるにも関わらず、その後も、愛知県はがれきの処理で迷走する。県内各地で説明会をするために奔走したり、各自治体の首長に受け入れの打診をしたり……。
 結果は「受け入れ計画撤回」という詰まらぬオチになった。そんなこと3カ月も前から判ってたじゃん(笑)。
 がれき処理の一連の不手際が大村チンさんの政治的センスを端的に現していると言ってもいいだろう。パフォーマンスを優先するがゆえに、本質的なところが抜け落ちているのだ。
 それは、河村名古屋市長、橋下大阪市長との連携についても言える。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120815/stt12081509250002-n1.htm
 少なくともついこの間まで盟友だったのではないか。だとするなら、河村ミャーミャーさんに話を通さずに、「中京維新の会」の立ち上げはだまし討ちだろう。いくら強弁しようと大村チンさんは卑怯だ。
 目立ちたがり二人の仲間割れを、
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/news/20120821-OYT1T00803.htm
橋下市長などから責められると、一転して関係修復に向かっていると言う。なんだか軸の部分がぐらぐらに見える。
 大村さん、河村さん、ご両人に共通して言えることは、政治的センスがないということだ。橋下さんと同じような気になって騒ぐことは、あまり賢明とは言えない。ここは地方行政のトップとして地に足をつけて地道に愛知県、名古屋市のまちづくりにまい進したほうが県民・市民のためになると思う。
 大山鳴動して、いい地域ができましたとさ。それでいいのではないか。