いつの時代も

 明治維新では多くの志士たちが奔走した。その中には少なからずまがいものが紛れ込んでいた。機を見るに敏というか、運のみでのし上がってきた三流志士たちである。例を挙げるとするなら、海江田信義(薩摩)、岩村精一郎(土佐)などはその代表格だろう。
 彼らの愚かさは、次の時代を大きく変えることができたかもしれない人財を、己の浅はかな思い込みと思い上がりと嫉妬で抹殺してしまったことにある。
 明治の軍政の有りようを強固に構築しえた大村益次郎という大人物を、海江田は私怨で暗殺してしまった。岩村は、戦わずに済んだ長岡戦争を引き起こし、多くの兵員の犠牲を出す。さらに次世代のリーダーとして期待の高かった河井継之助を死に追いやる。
 愚者に力を持たせるとろくなことにはならない。典型的な例であろう。

 それは現在でも同じこと。たまたま時流にのって二流、三流どころが水面に顔を出す。彼らは、さしたる考えもなしに、自分を一流だと思い込んで、一流のつもりでとんでもない行動を始めるから、さあ大変、ドジョウが出てきてこんにちは〜♪

 河村名古屋市長が、次期衆院選に向けて、自らが率いる地域政党減税日本」に現職の国会議員を合流させて国政の政党化を目指す。そして袂を分かった大村知事と対決姿勢を鮮明にしていくんだとさ。
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20120815/CK2012081502000041.html
 ミャーミャーさんにしろ、チンさんにしろ、やっていることは、まったくもって大阪の橋下市長の猿真似でしかない。
 とくに河村党首を支えるブレーンは、議長をもう一期やると駄々をこねた爺さんや、ポルシェで当て逃げをしても開き直る厚顔のオッサン程度の人材しかいない。そりゃそうだ。自分が前に出たいばっかりの党首に人材育成はできないし、党首の吸引力がないから党首以上の人材が集まる道理がない。
 橋下市長をキーにして、安部元首相、渡辺喜美氏、あるいは小沢一郎氏などの動きが活発だが、どうしても凸凹コンビは見劣りしてしまう。おっと、関係解消宣言をしたので、もうコンビではないか。
 
 日本を囲む四海の波が高くなってきた。国内に目を転じても、理不尽なことばかりが横行しているような状況である。ここで時代が変わらなければ、日本は二度と国際社会で評価されることはなくなるかもしれない。
 ここが先途である。平成のご一新を断行するためにも、志のある者は立ち上がらなければならない。そして二流、三流の人は、どうか一流の人物たちにその道を譲ってほしい。
小泉改革」でも「政権交代」でも、顔も名前も知らぬ「小泉チルドレン」だの「松下政経塾」だの「小沢チルドレン」だの有象無象が議員バッチをつけ、その結果が現在の状況を生んだ。また、国民はまた同じ道を選択していくのだろうか。
 国難である。もうそんなバカなことは繰り返すまい。精鋭を国会に送らなければ、この国は遠からず滅亡する。