カリスマの家元がみまかり立川流は集団指導体制へと移行する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120607-00000920-yom-ent
代表に、総領弟子の土橋亭里う馬を据えて、理事に、左団次、談四楼、談幸、志の輔、志らく、雲水の6人が名を連ねる。あれれ、談春がいない。どうしたのだろう。
実力から言えば、志の輔、談春、志らくの3人が突出している。落語通は、彼らを談志三羽烏と呼ぶ。この3人にやや水を空けられて頭脳派若手の談笑、立川流第1号真打、作家でもある談四楼が続く。
音楽雑誌の編集長でディープな落語ファンの広瀬和生は三羽烏に談笑を加えて、四天王と呼んでいる。著作『この落語家を聴け!』(アスペクト)の中で、《この「立川流四天王」を語らずして現代の落語を語ることはできない。》とまで言い切っている。
となると、実力者の2人が、今回の集団指導体制から外れている。談笑は若いから除外されても仕方がないかもしれない。しかし、ずっと談志を支えてきた談春が理事に名を連ねていないのは不思議だ。
おそらく談志のDNAを継いでいくのは四天王だろう。里う馬は御輿だからいいとしても、談春、談笑を外したのが、今後の火種とならなければいいが……。
どちらにしても、立川流は、粒がそろっている。それは、談志が実力主義だったからに他ならない。集団指導体制になっても、この伝統だけは守っていって欲しいものである。
これはおかしい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120607-00000083-jij-bus_all
関電は、「安全確保を大前提に原発を今後も重要な電源として活用している必要がある」と言っている。
原子力発電所の「安全確保」を誰が国民に保証するのか。原発事故が起きて、福井県が放射能に汚染された場合、誰がその責を受けるのだろう。現執行部は、過去、この国を築いてきた先人たち、現在、営々とこの国を守っている人々、未来にこの国を愛してくれる子孫たちに対してどう償うつもりなのか。軽々に「安全確保を大前提に……」などと口にするな。
目先の利潤しか目に入らぬ守銭奴が、経済界に後押しされて、適当なことを言っているんじゃないぞ。日本の国土を汚した責任は、高給に太った皺腹を切ったくらいでは償えない。
それにお仲間の東京電力は、未だに誰も責任を取ってはいない。せいぜい、会長、社長、重役が福島でヘコヘコと土下座をしたくらいである。そんなことで、責任が全うできるなら三つ子でも務まるわい。
宝暦治水を知っているか。
江戸期に木曽三川を分離する大工事を、外様の薩摩藩が命じられる。この大工事は美濃141カ村、尾張17カ村、伊勢35カ村におよび、修理築堤した堤防の延長は実に112kmに及ぶ。1年1カ月の工事で、33人が犠牲となるという難工事だ。工事が竣工し、現場奉行の家老・平田靱負(ゆきえ)以下51名の武士は、堤防工事で藩に予定外の支出をさせたとして、そろって腹を切って責任を全うする。工事は大成功だった。このため美濃、尾張、伊勢の329か村が恩恵を受けたにも関わらず、51人は死を選んだ。
これがノブレス・オブリージュ(位高ければ徳高きを要す)ということなのである。封建時代に士農工商の最上に位置した武士は、特権階級ゆえに責任を取るときも潔かった。
電力会社の重役たちが、自覚しなければならないことは、己が卑しい「商」ではなく、高い給を得て何万人という従業員の上に君臨するノブレスであるということである。待遇・生活は高級だが、身を処すときは下層民というのでは許されまい。