志の輔独演会

 ワシャも年がら年中仕事をしているわけではない。時には息抜きに落語会に行く。昨日は、穂の国とよはし芸術劇場で「立川志の輔独演会」があり、友だちと出かけたのだった。

 もちろん志の輔である。チケットは即完売。ホールは満席。その他の出演は、志の輔の弟子で二つ目の「志のぽん」と前座の「志の大」。

 まずは志の大が「呑める」でご機嫌をうかがう。「のめる」というのが口癖の男と「つまらねえ」が口癖の男が、互いに口癖を出したら罰金と取り決めて、相手にその言葉を言わせようと手を変え品を変えやり取りするという噺。志の大、なかなか達者な前座だった。志の輔に入門して3年半でかなり仕上げている。すらりとした立ち姿もいいし、幇間の踊りなんかさせたら絵になるだろうねぇ。声もいいし、すっきりした顔だちも二枚目半で、五分刈りの頭髪も覚悟があって好感が持てる。このまま上手に精進していけばおもしろい落語家になるのではないだろうか。

 二つ目の志のぽんは「真田小僧」を掛けてきた。入門から15年目である。ううむ・・・他の落語を聴いていないので、なんとも言えないけれど、がんばってね。

 そして志の輔である。まずは「千両蜜柑」を出してくる。物語は大店の若旦那が夏の暑い盛りに「蜜柑が食べたい」と思い込んで寝込んでしまう。番頭が江戸じゅうを駆け回って、やっとのことで日本橋の蜜柑問屋で1つだけ見つける。それの値が1000両ときたもんだ。そこから巻き起こる人間ドラマが悲しいほどおもしろい。

 トリに掛けたのが、「抜け雀」で、これはたっぷり50分。しかし客の方はあっという間の時間で、さすが志の輔と言わざるをえない。志の輔と同じ時代でよかった、そう思わせる名演だった。

 立川流噺家を聴くと、ワシャは必ず円楽一門との比較をしてしまう。談志と五代目圓楽がライバルだったからね。そういった意味で弟子たちがどう育成されたかをついつい確認したくなる。

 談志は、談四楼、志の輔談春志らく、談笑を大看板に仕上げた。さらに孫弟子にもいい噺家が育ってきている。

 圓楽はというと、六代目圓楽(楽太郎)の噺は、説明的で面白くなかったし、好楽は「落語家かいな」という笑点メンバーというだけの人。その他の弟子たちを見回しても、談志の弟子たちに及ぶべくもない。

 弟子の育成ということでは、談志の圧勝であった。