あっという間の東京

 昨日は、急きょ東京出張になった。虎の門で大きな会議があって、そこに社長の代理で出席する。関係各所のお歴々が集まるので、ワシャのようなペースケは、早めに会場入りして神妙に座っていなければならない。午後1時の会議だったが、少なくとも30分前には会場に着かないとね。
 昨日、隣町で「カリヤンナイト」と言うお祭りがあった。そのお祭りを盛り上げるために1か月も前から10人ほどの仲間に声をかけて参加を決めていた。そっちもキャンセルというわけにはいかない。だから、東京からトンボ返りすることになった。
 でもね、せっかく、上京するのだから、情報収集にあちこちまわりたいですよね。午後12時30分東京虎の門、午後6時愛知県刈谷市、これはフィックスなので、ここだけ押さえて残りのスケジュールを組み立てていけばいい。
 そうすると、昼飯を食わなければ、なんとか1時間神保町に立ち寄ることができることが判明した。よっしゃー!

 午前7時44分三河安城発こだまに飛び乗る。残雪を頭にちょこんと乗せた霊峰を横目に見て、午前10時17分東京着。丸の内線に走り淡路町へ。
 淡路町で地上に出る。そこから1kmほどは、靖国通りを徒歩で行く。う〜ん、古書の臭いを嗅ぎながらの散歩はたまりませんぞ。ここはまさに本のワンダーランド、何時間いてもまったく飽きない。
 しかし、今日(昨日)は1時間だけのお約束なので、のんびりとしている暇はない。そうなるとワシャの行く場所は決まっている。歴史書が豊富にある「南海堂書店」と、シナリオや映画資料の専門店「矢口書店」である。この2軒は小路をはさんで隣同士なので、物色するにも好都合なのだ。
 午前10時50分、まず南海道書店に入る。静かな店内をつらつらと眺め、何冊かを手に取る。この瞬間が、「生きててよかった」とつくづく思う。その後、矢口書店で、映画のパンフレットや歌舞伎の本などを物色する。
 嗚呼、至福の時というのは、あっという間に過ぎ去るものなのね。1時間なんぞ、神保町では刹那と言っていい。気がつけば正午になっている。
 大あわてで神保町から三田線に乗って日比谷で乗り換え、神谷町で地上に出たのは午後0時18分だった。駅前にはオープンカフェなどがあって、若い女性たちがランチを楽しんでいる。ワシャにはそんな余裕はない。道すがらコンビニがあったので、そこでウイダーインゼリーを買って歩きながら飲み干す。それで昼食は終了だった。テレビ東京を左手に見ながら坂をのぼる。その先に目的地のホテルオークラが見えた。別館のB2にある会場に着いたのは、きっかり午後0時30分だった。そのかわり汗だくになりましたけどね。
 会議を終えて、まさにとんぼ返り。午後6時には刈谷駅の改札に立っていたのだった。あー忙しかった。