もうそろそろ

ヒストリエ』(講談社)、『寄生獣』(講談社)の作者の岩明均が「雪の峠」という秋田
藩の黎明期を描いた短編がある。
 常州55万石の太守であった佐竹家は、関ケ原の合戦で旗幟を鮮明にしなかったため、出羽国秋田・仙北郡20万石へ移封となった。新天地で、いまだ戦国の気分が抜けきらぬ老臣と、新たな地で心機一転を目指す初代藩主の佐竹義宣(よしのぶ)との確執の物語となっている。
 さすが名手の岩明均である。些細な行政内部の意思決定の過程を、興味深いサスペンスドラマに仕上げている。

 支那中国の諜報活動がかまびすしい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120530-00000086-san-soci
 しかし、それも止むを得ないことで、この何十年もの間、日本は戦争放棄の美名のもとに丸腰国家を通してきた。このため「スパイ天国」と言われて久しい。
 いままで、先の大戦の罪悪感を引きずって、贖罪の道程を歩んできたが、もうそろそろ、新たな認識をもってもいいのではないのか。
 歴史を詳細に読み込んでいけば、少なくとも、先の大戦は日本ばかりが一方的に「悪」ではないことは間違いないのだから。