岩明均(いわあきひとし)の名作コミックに『七夕の国』がある。特殊な能力を持った宇宙人の末裔の話で、クライマックスは末裔を排除するためにやってきた武装集団との闘いとなる。最後に生き残った末裔と武装集団のリーダーの会話。
リーダー「……まったくわからん男だな。何が目的だ?」
末裔「こっちこそ聞きたい。あんたこそ人類を守るヒーローのつもりか?」
リーダー「我々が守るのは人類ではない。市場だ」
末裔「アホくさ」
この直後に撃ち合いになり、リーダーは倒されてしまう。
東京電力や関西電力の株主総会を見ていて、上記のシーンを思い出した。雛壇にずらりと並んでいるお歴々に見えているのは、国家や国民ではなく「市場」でしかない。
瀬島龍三の愛弟子で中国大使の丹羽宇一郎だって「市場」しか見ていないことは明白だ。もちろん財務省、経済産業省の「軍刀組」も同じである。
国を愛する、その国の人々を大切に思う、そういった情味に関わることは、定規で線を引いたような思考しかできない秀才連中には、わからないだろうなぁ。